第3話 ときめく

 時は4月。桜が散り始めたころ…。

「さーいーたー♪さーいーたー♪チューリップのはーなーがー♪」

私は先週の学級会で園芸委員に決まり、花のお世話をする事になりました。私は、咲き始めたばかりのチューリップの水やりに歌を歌いながら花壇に行こうとしていました。


「あれ?」

今日は私が水やり当番なのに誰か人がいますねぇ…。私は人見知りなのですが、どうしましょう…。


私が花壇につこうとした直前、花壇に人影が見えました。


体格が大きい方なのでなおさら話かけずらく、どうしようかと一歩進んだり、下がったりを繰り返していると足がもつれてしまい、

「きゃっ!」


ドサ…。

転んでしまうと思い、目をギュッとつぶっているとなにか暖かいものが私を包んでいました。

ビックリして顔を上げるとさっき花壇に居たはずのあの人が居ました。

「あ…の…、大丈夫…、ですか…?」

「は、はい!あの、ありがとうございます。」

「…、いえ。お怪我がなくて…、良かった…、です。それでは…。」

その方は颯爽と去っていかれました。

ドクン…。

 あれ…?この…、胸の高鳴りは…、一体?病気にでもなったのでしょうか…。それに、あの王子様のようなあの方はいったい…?

こうして、私は樺地崇弘さんに恋をしました。

この気持ちを知ってから恥ずかしくて彼になかなか近づけません…。

いつか、この思いが届いたらいいな…。


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