第6話 泣き顔に、


「イヤぁぁぁぁぁぁぁ

 手塚の用事を済ませた僕は莉奈ちゃんのもとへ向かおうと彼女を探していたがとても大きな悲鳴が聞こえた。

 一体、何があったんだ?

 声の聞こえたテニスコートへ向かうと氷帝のレギュラーに囲まれた莉奈ちゃんが倒れていた。

「莉奈ちゃん!」

 僕が声を上げると跡部が振り向いた。

「不二か。」

「いったい何があったんだい?跡部。」

「テニスコートにいたからたちの悪い雌猫かと思ったんだがどうしたと聞いたら倒れた。」

「そう、か…。」

 よくわからないが彼女にとって良くないことがあったらしい。

「跡部、保健室はどこ?」

「保健室より部室のほうが近い。寝かせられるスペースもあるからな。樺地!」

「ウス。」

「不二と雌猫を案内してやれ。」

「ウス。」

「ありがとう、跡部。それと、彼女は桐生莉奈ちゃんだ。雌猫というのはふさわしくないと思うけどな。」

 跡部が雌猫と言っているのを聞いて思わず静かに怒っていた。

「そ、そうか。すまねえ。」

「まぁ、いいや。樺地、案内してくれるかい?」

「ウ、ウス。」

 僕は樺地にそう言って部室に連れて行ってもらった。




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