止まった時間が動き出す
「おばちゃんが叶えられなかった夢…絶対に叶えてみせるから!」 「頼んだで!」
二人で熱い握手をしていると後ろから不思議そうっていうか呆れている声が聞こえた。
「…なにしてんだ…お前…」
恥ずかしくて白目になるかと思ったわ。なんでこういうときに限って人と出会うんだろう。ていうかその人がなんで黒崎くんと朽木さんなの。やだ。
「…ははは」
笑って誤魔化そうとしたら「いや、誤魔化そうとしても無理だろ」って言われた。
「…今日はね、そこのお店で特売日なの。それでこのおばちゃんすっごく楽しみにしてたんだけど…不慮の事故で亡くなってしまったらしくって…。」 「…一護、特売日、とやらはそんなに楽しみにするものなのか?」 「あー…遊子なら楽しみにするんじゃないか…?」
「名前ちゃん、頼んだで!今日の10時からの特売!アンタしか頼れる子おらんねんから!」 「任せてよ!」 「ちょっと待てよ、お前学校は?」 「休むに決まってる!黒崎くんの休む回数と比べたらわたしの休みなんか屁でもないよ!」 「…う゛、」
「うっしゃー!気合い入れて行くぞー!」
「………なんで俺たちまで…」 「暇そうだからね!」
胸を張って言うと朽木さんが「案外肝が座っておるな…」とぼそりと言っていた。ありがとう、よく言われます。
「あ、そう言えば黒崎くんに朽木さん…。わたしの名前知らなかったよね?」 「…わりぃ」 「…すまぬ」 「別にいいよ。二人とあんまり喋ってなかったし。改めて!わたしの名前は名字名前!よろしくね!」
軽くお辞儀して言うと二人共軽く笑ってよろしくっと言った。
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