ポロポロ零れ出す宝石
「うあー、めんどくさいー」
23時と表示した携帯を見て溜め息を吐く。なんでこんな時間にコンビニに行かなきゃならん。なんでわたしの携帯はスマホじゃないんだ。スマホ使ってるやつの指もげろ。
そんなことを考えながら行くせいか、本来はそんなに遠くないコンビニが少し遠く感じてしまった。わたしは少しだけ足を速めてコンビニへ向かっていたら途中の道で百円が落ちていたのでパクった。
無事にコンビニでおばあちゃんから頼まれた唐揚げ弁当を買えた。おばあちゃん…その年でこの時間に唐揚げ弁当は止めておいた方が…、と苦笑いしながら言ったらケツバットをされそうになった。理不尽だ!
「そもそもこうなったのは一護、貴様のせいだろ!」 「なっ…!ルキアだってわりぃとこはあんだろ!」
「…ん?」
この声は黒崎くんと…朽木さん…? 流石にこの時間帯に騒ぐのはなぁ…。わたしがこのうるさい声をどうにかしないといけない!!近所の迷惑だし!それに…わたしの正義の名に掛けて!
……やっぱりわたしは間違っていることをハッキリと言えるほど肝が座ってないです。黒崎くんと朽木さんの二人ってなんか怖いです。カッコつけてごめんなさい。
怖がりなわたしは物陰からこっそりと二人を見て言うタイミングを計ろうと…って…あれ…? あの服装は…。確かコスプレ姿の時の二人だ。こんな時間になにかコスプレ大会みたいなものなんかあったっの? それより何故かあのコスプレ姿になると二人の姿はみんな幽霊みたいに見えなくなるんだよね…。 きっとなにかあのコスプレの袋に大きな意味があるハズなんだけど。
久しぶりに頭を捻って考えたけどやっぱり分からん。…ん?待てよ?でも今、あの二人が幽霊と同じ設定だとしたら誰にもあの声は聞こえてないワケだ!なら注意しなくていいじゃん!クラスのみんなも気付いてなかったし!
ポンッと手を叩いて納得する。コンビニ袋の存在を忘れた上にあの二人がいることすらも忘れて喜んだ。
「久しぶりに答えに辿り着いた!」 「「だれだ!」」
ははっ!久しぶりにこんな馬鹿なところでミスった!
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