名前による名前のためのエース隊長観察日記
○月×日 晴れ 今日も今日とてエース隊長はかっこいい。自身はそのフェロモンに気付いてないけど。朝から上半身裸の隊長にムラッときて抱きつこうとしたら殴られた。仕方なくサッチ隊長のところへ行ってリーゼントを崩したらまた殴られてしまった。
昼はエース隊長が可愛い寝顔で寝ていたので眺めながら隊長に告白した。寝ていたので返事はなかったがなぜか隊長の顔が真っ赤になっていたので急いで氷を取りにいった。直射日光って怖い。
お昼を回ったころにマルコ隊長から呼び出しをくらった。
「名前!」 「なんですかー?久しぶりに追いかけっこでもしたいんですか?」 「したくもねぇしした記憶もないよい。それより昨日の晩、俺が大事に取っておいたバナナ食っただろい」 「はは、なに言ってるんですか!バナナならマルコ隊長の頭の上に乗って「よし、歯食いしばれ」
そこからは二時間くらい記憶がない。一体二時間の間になにがあったんだろうか。
夕方はオヤジのところへ行った。するとオヤジは私の頭を撫でながら「早く孫の顔が見たい…」とボヤいていたので訪ねてみると私を見て少しだけ笑ったので首を傾げたらエース隊長がすごい大声で「オヤジィィィ!!」と叫びながら会話に乱入してきた。 びっくりしているとスタスタと私の方に歩いてきた。もしかして告白…?って思って待ってたら髪の毛を燃やされた。
理不尽だ!と思いつつ、海に飛び込んだら溺れた。
そして今にいたる。最近のエース隊長はおかしい。私を見るなりすぐにどこかに逃げるし抱きつこうとすると今までと比べものにならないくらい痛いパンチを繰り出してくる。ほんとに痛いからやめてほしい。涙出てくるから。
私はただ純粋にエース隊長の腹筋に触りた………
「やべ、筆折れちゃった」
腹筋に尋常じゃないくらい力を入れすぎていた。
「まぁいっか」
筆をゴミ箱に捨てて扉を開けるとエース隊長が立っていた。
「なにやってたんだ?」 「日記書いてました!」 「…ふーん」 「見ますか?」 「嫌な予感しかしねえからいい」 「え?そんなことないと思いますけど…。8割りはエース隊長の愛を綴ってますけど」 「キモイから止めてくれ…!」
舌打ちをつきながら軽蔑した目で見られた。
「…私はそんなことじゃ凹みませんよ!」 「うざいキモい死ね」
すごく傷ついた。 めちゃくちゃ泣きそうになった。普通に傷ついたよ、隊長。流石にその三段攻撃は効果バツグンすぎるよ…!
「………」 「…ぶふっ!」
凹んでいる私を見ていきなり笑い出した隊長に驚きとともに怒りが湧き上がる。
「隊長酷いです!女の子が凹んでるというときに笑いだすなんて!!」 「凹んだのは自業自得だ。…ただ」 「ただ?」 「表情がコロコロ変わる名前が面白くってな」
笑って頭を撫でてくれる隊長に胸が張り裂けそうになった。
隊長に惚れたときも同じことを言われたんだ。思い出して少しだけ目を伏せ、ニッコリ笑った。
「えへへ、隊長大好き!」 「調子に乗るな!」
飛びついたら殴られたけど全然痛くなかった。
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