Clap

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只今のお礼ssはお題ss「背の低い彼のセリフ」の「3.頭なでんのやめろってば」です。
高身長教師×低身長風紀委員長です。
幼馴染で両片思いから両思いになるまで。

前の話はここから

*

俺は今、彼の部屋の前にいる。親から送られてきた段ボール箱を持って。

俺の両親と彼の両親は仲がいい。そのため、彼が先生として働いているこの学校に俺が行くと知ると、俺たちへの差し入れすべてを、一つのダンボールにまとめて送ってくるのだ。

生徒用の寮と先生用の寮は少し距離がある。段ボールはめちゃくちゃ重い。どうしてそれをわかって送ってくるのか、わからない。いや、一つにした方が安くなるのかもしれないけれど。

一度下に置いてからインターフォンを鳴らすと、彼がすぐに出てきた。すぐに出てきたから驚いていると、靴の整理をしていたのだと答えられた。…?彼はそこまで靴を持っていなかったはずだが、整理は必要なのだろうか?

彼に玄関のドアを開けてもらっている間にその隙間を潜り抜け、何度も訪問している部屋の中に入った。重たいダンボールを床に置いて、俺はその上に跨るように座った。腰が痛い。重いものを持ったし、しゃがんで立ってを繰り返したからなぁ。俺は痛んだ腰をさすった。こういうのは鍛えてるとか関係ない。涙目にもなるに決まってる。

そうしたら後ろからものすごい音が聞こえた。それに驚いて後ろを振り向くと、彼が蹲っていた。彼のそばには調味料が入れてあったかごと、その中に入っていたであろう調味料が散らばっていた。中身も出てしまっている。

俺はひとまず彼が無事かを確かめる為にそばに寄った。彼の態勢を整わせるように支えると、彼と目があった。ほんのりと顔が赤くなっているから…たぶんこの籠を顔にぶつけたんだと思う。…どうやって?

「大丈夫?」
「…うん、大丈夫大丈夫」

身長が低けりゃ座高も低い。俺は彼の前に座って見上げた。けれども彼はどうしてか、俺の方を見なかった。大丈夫、大丈夫。明らかに大丈夫そうじゃないのにそう繰り返して、彼は俺の頭を撫でてきた。

俺が頭を撫でられるの嫌いなの知っているくせに、彼はこうやって撫でてくる。いや、彼にだったらもっと撫でてほしいが、イラつきが優ってその手をはねのけた。すれば痛みから回復したらしい彼が、俺に笑ってまた撫でた。だからやめろ!

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