Clap Log
■ 2.京楽との遭遇

・・・何故、ここに居る。
目の前で転がっている男を見て、内心で舌打ちする。
関わるのは面倒だと踵を返そうとすると、男は目を覚ましたようだった。
「・・・おんやぁ?我がクラスのマドンナじゃない。」
そういってあくびをしながら起きあがった男の名は一体なんだったか。
同じクラスらしいが、見覚えがない。
『邪魔をした。』
それだけ言ってさっさとほかのさぼり場所に行こうと歩を進める。
「まぁ、そう嫌な顔しないでよ。」
男から私の顔は見えていないはずなのに、まるで見えているように声をかけてくる。


『・・・。』
仕方なく立ち止まって無言で男を見つめた。
「つれないねぇ。巫女ってのは、男とおしゃべりするのもだめなのかい?」
言いながら立ち上がって、男はゆっくりと近づいてくる。
『・・・そういうわけではない。』
「そ。それはよかった。僕は京楽春水。以後お見知りおきを。」
『お初にお目にかかる、京楽殿。』
「あはは。初めてでもないけどね。巫女様は硬いなぁ。」
巫女と言われて、思わず相手を睨みつける。


『・・・そう呼ばれるのは嫌いだ。』
「ふぅん?じゃ、次話すまでにあだ名でも考えておくよ。じゃあね。」
睨まれたにもかかわらず男はヘラりと笑って、後ろ手を振りながら去っていく。
それを一瞥して、今日は違う場所でサボろうと彼女も踵を返したのだった。

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