Clap Log
■ 1.第一印象

「あれが、噂の巫女?」
「だろうな。」
京楽と浮竹の視線の先には一人の少女。
漆黒の髪。
空色の瞳。
中性的な整った顔。
しかし、その顔に表情はない。
それから彼女を見たときに感じた恐怖。


「・・・張りつめているねぇ。」
京楽の呟きに、浮竹は頷く。
そして何より、その瞳は暗い。
「勿体ないな・・・。」
「え?」
「あ、いや、綺麗なのに、あんなに頑なでは、近寄りがたいだろう。」
「珍しいねぇ。興味あるのかい、浮竹。」
にやにやと問われて、浮竹は京楽を睨む。


「おぉ、怖い。そんなに睨まないでよ。冗談でしょ、冗談。」
京楽はそういってヘラりと笑う。
そんな京楽に浮竹はため息をついた。
「興味があるのはお前の方だろう。」
「あはは。まぁ、ね。屋敷の奥で育った生粋のお姫様だ。僕も見るのは初めてだよ。」
京楽は彼女を見ながら言う。
「その上朽木家の血も引いている。興味を持つなという方がおかしいと思わない?」
「・・・あまりしつこく追いかけてやるなよ。」
「そんなことはしないさ。・・・おや、ようやく山じいのお出ましだ。」
京楽はそういってそそくさと席に戻る。


・・・今日もいい天気だなぁ。
京楽を横目に見つつ、浮竹はのんびりと空を見上げる。
まぁ、いつか、話せればいいだろう。
今は死神になることだけ考えよう。
浮竹はそう思って、元柳斎の話を聞くことにしたのだった。
これは彼らの出会いの話。

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