色彩
■ 15.援軍A


「・・・あ、漣さんが居たぞ!」
「本当だ!僕らの高嶺の花!」
「でもやっぱり朽木隊長の隣に居る!」
「くそう。羨ましい。でもやっぱりお似合い!!」
「京楽と浮竹の奴、あんなに近くに居るぞ。」
「「「相変わらず狡い奴らだ。」」」
そんな声とともに、次の面々が門を潜ってきた。


「やぁ、青藍君。いや、ここでは朽木家当主とお呼びした方がいいかな?」
「俺たち貴族としても死神としても追い抜かれているからなぁ。」
「昔はあんなに小さかったのに。今じゃ朽木家当主だもんなぁ。」
「茶羅ちゃんまで結婚しちゃうなんて、寂しいなぁ。」
「自分の娘が嫁に行くようだ・・・。」


『あはは。皆様、ようこそお越しくださいました。いつも通りで結構ですよ。たくさん連れてきてくださったようで。大変感謝いたします。・・・母上!お客様ですよー!!』
青藍にそう言われて、咲夜は浮竹と京楽と共に楽しげに彼らに近付いてくる。


「ふふ。皆様、本日は足を運んでいただき、誠にありがとうございます。」
「「「「漣さん!!」」」」
「しかし、お前ら、よくこんなに集めたな。」
彼らの後ろに居る数十人の貴族を見て、浮竹は感心したように言う。


「そりゃあ、漣さんの頼みだし?俺、自分で言うのも何だけど、そこそこの貴族だし?」
「だから俺たち、本気を出した、みたいな?」
「そうそう。茶羅ちゃんみたいな可愛い子が困っていたら手を貸さずにはいられないっていうか?ましてやそれが、漣さんの娘だし?」


「あはは。流石、僕らの同期だよねぇ。ほんと、咲ちゃん馬鹿なんだから。」
「ははは。確かに馬鹿ばかりだな。」
「「「「京楽と浮竹にだけは言われたくない。」」」」


「ほほ。不満げだのう、白哉。」
楽しげな咲夜たちを詰まらなさそうに見つめる白哉に、銀嶺はからかうように言う。
「・・・。」
そんな銀嶺を白哉は無言で見つめる。


「そんな顔をするな。・・・しかし、咲夜にも良い仲間が居るようじゃ。儂は嬉しいぞ。」
「・・・そのようですね。これでは、あれらに文句を言うことも出来ない。」
「ははは!」
拗ねたように言った白哉に、銀嶺は声を上げて笑う。


「では、儂らも大物を連れてくることにするか。」
「そうですね。・・・関係ないくせに一番ごねおって・・・。」
白哉はぼそりと呟く。
「茶羅のことじゃて、仕方あるまい。行くぞ、白哉。」
銀嶺に伴われて、白哉は仕方なく立ち上がる。


その頃、次の者たちが姿を見せていた。
「青藍さん!・・・いや、青藍様。お祝いに参りました。本日は真におめでとうございます。」
『よく来たね、永江君・・・と、柳内君・・・?』


「・・・お邪魔、致します・・・。」
永江の後ろから柳内は気まずげに顔を出す。
「ほら、柳内先輩、俺なんかに隠れないでくださいよ。」
「うわ、やめ・・・!!!」
永江に押されて、柳内は青藍の前に立つ。


「ほ、本日は、おめでとうございます。柳内家は、この婚姻を承認、致します。」
『うん。ありがとう。』
「柳内先輩と俺とで、少ないですが、人を集めさせて頂きました。後ろに居る者たちは皆、下級、中級ではありますが、次期当主の者たちです。」


「「「「本日は、おめでとうございます。」」」」
永江に紹介されて、後ろに居た数人が緊張した様子で青藍に頭を下げる。
『えぇ。ありがとうございます。どうぞ、中にお入りになってください。』
「「「「し、失礼いたします!!」」」」
青藍に微笑まれて硬くなりながらも彼等は朽木邸へと足を踏み入れる。


「あ、それと、三番隊隊長鳳橋楼十郎、同じく副隊長吉良イヅル、その他席官より祝いの文を預かって参りました。」
『ふふ。流石永江君。頼もしいね。』


「あの橙晴さんに頼まれては、何もしないわけにはいかないでしょう?高梨も協力してくれました。今頃、俺の代わりにお仕事中です。」
『あはは。ありがとう。高梨君にもお礼を言わなきゃね。』


「・・・騒がしいのう。」
続いてやってきた人物は寂しげにそう呟く。
その声とは裏腹の威圧感に、皆が姿勢を正した。
「いつものことじゃろうて。何故お主が一番寂しそうなのじゃ。」
銀嶺に呆れたように言われて、元柳斎はさらに寂しそうにする。


「儂の、茶羅が・・・。どこの馬とも知れぬ男に・・・。」
「総隊長、心配召されるな。正確には貴方の茶羅ではない。」
「そういうことを言っておるのではないわ!・・・じゃが、茶羅にあのような顔を見せられては、反対するわけにもいかぬ・・・。」


『あはは。よくお越しくださいました、護廷十三隊総隊長兼一番隊隊長山本元柳斎重圀様。お席の用意がございます。どうぞごゆるりと、お楽しみくださいませ。貴方様の自慢の教え子もたくさんいらしておりますよ。』
青藍は拗ねたような元柳斎に苦笑しながらも、そう言って招き入れる。

[ prev / next ]
top
×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -