色彩
■ 14.援軍@

「周防家一同、この婚姻に異議はございません。」
「漣家はこの婚姻を承認いたします。」
「加賀美家、異議はありません。」
「京楽家も異議なし。ちなみに、八番隊隊長京楽春水としても認めるよ。」
「朝比奈家もこの婚姻を承認いたします。」
「浮竹家も異議はない。十三番隊隊長浮竹十四郎もこの婚姻を喜ばしく思う。」
「四番隊隊長卯ノ花烈。異論はございません。」
「・・うわ、痛いよ、梨花ちゃん。解ったってば。・・・く、久世家も、異議はありません!」
「当然、南雲家も異論はございません。」
青藍が祝言に招いた者たちは皆がそう口にする。


「・・・始めからここにいらっしゃる方々が賛同するのは当然のことです!私は反対致しますぞ!!」
ある貴族が声を上げると、それに賛同して十数人が声を上げる。


その時。
朽木家の門の外から多くの足音が聞こえてくる。
騒いでいた貴族たちは足音に気が付いて後ろを振り向く。
その足音に、青藍は口元に笑みを浮かべた。


・・・どうやら、応援が来たようだ。
彼等は全て、この婚姻を祝いに来た者たち。
思っていたよりも、多いみたいだ。
これで、賭けは僕らの勝ち。
数がどうという問題ではないが、数の力は強いのだ。


『・・・ふふ。客人が続々とお祝いに押し寄せているようですねぇ。皆を、中に通しなさい。』
青藍に言われて、使用人たちが慌ただしく彼らを迎え入れる。


「ほう?やっているようじゃの、青藍。」
始めに姿を見せたのは、夜一である。
『ふふ。ようこそお越しくださいました、四楓院夜一殿。』
青藍はそう言って一礼する。


「よいよい。儂は夕四郎の代わりに来ただけじゃ。四楓院家当主、四楓院夕四郎より、言伝を預かっておる。・・・四楓院家は、この婚姻を承認する。」
その言葉に、多くの者が目を見開く。
「それから、儂の後ろに居る者たちも、この婚姻に賛同しておるぞ。のう、侑李、京、キリト。」


「「「どうも。朽木家当主様。お邪魔します。」」」
夜一の後ろからそう言って三人が顔を見せる。
『ふふ。よく来たね。』
「三日前に騒ぎがあってから、お前に頼まれて、駆けずり回ったんだぜ。」
「そうそう。副隊長を追いかける時並みに走ったよ。」
「あはは。うん。僕も走った。夜一さんが助けてくれなかったら大変だったよ。」


「何を言う。儂の助けなど必要なかったじゃろう。見てみろ、この三人が声を掛けただけで、これほどの貴族が動いた。」
夜一が指し示した方を見ると、そこには数十人の貴族たちが楽しげに朽木邸へ足を踏み入れている。


『おや、予想以上に多いですねぇ。それも一部上流貴族の方もいらっしゃるようで。』
「じゃが、儂が呼んだのは砕蜂ぐらいよ。のう、砕蜂。」
「はい、夜一様。蜂家はこの婚約を承認するとのこと。二番隊隊長および副隊長もこれを承認する。」


『ふふ。ありがとうございます、夜一さん、砕蜂隊長。・・・女性が多いのは、キリトのせいかな?』
「あはは。僕、貴族のお姉さま方に可愛がられているからね。おねだりしちゃった。」


「そうそう。全く、こいつ、恐ろしい奴だぜ。」
「本当だよ。僕、キリトも敵に回したくない。何なの、あの名演技。」
「あはは。僕は茶羅と燿さんが引き裂かれるなんて悲しいなぁ、って言っただけだよ。」


「それで、俺と京は同期たちと千景先輩と薫先輩に声を掛けた。」
「そうしたら、皆が他の貴族の方に声を掛けてくださってね。人が人を呼んで、こんなに大人数になっちゃった。」
「茅嶋家、峰藤家はこの婚姻を承認いたします。この者たちも承認の意を示しております。」
「朽木家当主にはお祝いを申し上げます。」


『それは有難い。・・・千景先輩、薫先輩、ありがとうございます。』
「ちなみに、九番隊隊長六車拳西、同じく副隊長檜佐木修兵、並びにスーパー副隊長、久南白からもお祝いの文を頂いております。」
「十番隊隊長日番谷冬獅郎、同じく副隊長松本乱菊からも祝いの文を預かってきました。そして、十番隊第八席篠原キリト、第十七席御剣京。」


「「僕らからもお祝いを申し上げます。」」
「瀞霊廷通信編集部を代表して、編集長補佐朝霧侑李がお祝いに参りました。」
『ふふ。ありがとう。キリト、京、侑李。』

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