色彩
■ 4.部屋割り

「ははは。豪紀も手慣れてきたなぁ。」
「そのようですね。違和感なくここに居るあたり、尊敬します。」
楽しげに笑う咲夜に橙晴が同意する。


「豪紀兄様も、いい加減慣れてきたのでしょう。」
「なるほどな。流石、青藍の友人だ。」
ルキアは深冬の言葉に大きく頷きながら言う。


「ど、どうしよう!橙晴、おれ、違和感しかない!!どうしたらいいと思う、加賀美さん!」
紫庵はそんな会話を聞いて慌てだした。


「五月蝿いぞ、久世。どうしようもないだろう。久世なのだから。」
「そうそう。紫庵はどうしようもないのだから、そこで大人しくしていなさい。」
「そ、そんなぁ・・・。」
二人に冷たく言われて紫庵は項垂れる。


『さてと、とりあえず三日分の仕事は終わりましたし、六番隊舎に行きましょうか。僕らはこれから祝言の日まで隊舎から出られませんが、暫しの休息です。』
「さっき見てきたが、六番隊舎の前は人だかりができていたぞ?」
青藍の言葉に豪紀は怪訝な顔をする。


『ふふふ。大丈夫だよ。僕の秘密の部屋がある。』
「秘密の部屋・・・あれか・・・。地下道の。」
楽しげに青藍に言われて、豪紀は思い至ったらしい。


『そうそう。・・・橙晴は自分の場所があるだろうから、雪乃とそこを使ってね。』
「解りました。」
『父上と母上も部屋を用意してあります。後で案内しますね。』
「「あぁ。」」
青藍の言葉に二人は頷く。


『それで・・・蓮と玲奈さん、ルキア姉さまと晴さんに加賀美君、それから久世君はどうしますか?』
「どうする、とは?」
ルキアは首を傾げる。


『少し広めの部屋に男女に分かれて二部屋で泊まるか、蓮と玲奈、ルキア姉さまと晴さん、加賀美君と久世君に分かれて三部屋で泊まるか。・・・まぁ、加賀美家で久世君を預かってくれるなら、加賀美君は邸に帰ってもいいけれど。』


「それじゃ、俺は邸に帰る。久世は加賀美家で預かろう。どうやら梨花姫が邸を抜け出して加賀美家に来ているらしい。実花から連絡があった。」
『そう。じゃ、よろしく。久世君、かくれんぼは得意だから大丈夫だろうけど、見つからないようにね。』
「は、はい!」


『それで、他の四人はどうしますか?朽木家は今、出入りを完全に遮断していますし、隊舎に泊まると言ってもすでに人が集まっているでしょう。六番隊に泊まるのが良いと思いますが。』


「私は晴と一緒でいいぞ。晴が良ければ、だが。」
「ルキアさんが良いのならば、私もルキアさんと一緒にお泊りします!」
「そうか。よろしくな、晴。」
「はい、ルキアさん!」
ルキアと晴は楽しげに微笑みあう。


『それじゃ、蓮と玲奈さんは一緒でいいね。』
「あはは。うん。」
『で、僕と深冬も一緒。』
「解った。」


『あ、そうそう。部屋にはシャワーとトイレを取り付けてありますし、食事は時間になったら運ばれてきます。それぞれの部屋に行き来が出来るようにもなっていますし、何かあれば、備え付けの電話で連絡してください。すぐに対応いたします。安心して過ごしてくださいね。』
青藍の言葉に皆が頷く。


『ご不便をおかけします。・・・さて、皆さん、案内しますよ。』
言われて皆が立ち上がる。
『烈先生、お邪魔しました!三日後に、またお会いしましょう!』
「えぇ。三日後、楽しみにしていますよ。」


『加賀美君と久世君もまたね!加賀美君、久世君をよろしく。』
「あぁ。そっちも気をつけろよ。」
『あはは。了解。じゃあね。』
青藍がそう言って姿を消すと、それに続いて六番隊舎に泊まる面々は姿を消す。
それを見送って卯ノ花に一礼すると、豪紀は紫庵を連れて家路についたのだった。

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