「・・・青藍は、やっぱり青藍だ。」
蓮と楽しげに笑う青藍を見て、深冬は呟く。
「そうだな・・・。いや、南雲三席も相当だが。これでは漣六席が敵わないはずだ。」
豪紀はそう言って蓮を見る。


「僕らも最近気が付いてきたけどね。玲奈さんも大変だ。」
「そうだな。俺、蓮さんって、優しい人だと思ってた。」
「僕も。見た目通り、ふんわりした人だと思ったけど、やっぱり、青藍の友人になることが出来るくらいだから、あんまり普通じゃなかったね・・・。」


「朽木青藍と南雲三席の仲が良いと聞いて、疑問に思っていたが・・・。」
「この二人、基本的に似ているよね・・・。」
「確かに。左右で瞳の色が違うのが共通点とか言っていたことがあるけど、それだけじゃないね。」
「俺、青藍だけじゃなくて、蓮さんも敵に回したくないわ・・・。」


「貴方たち、何をこそこそやっているの？」
そこへ雪乃がやってくる。
「あ、雪乃。近くで見ると、さらに綺麗だね。おめでとう。」
「蓮さん。ありがとうございます。」


『本当だ。残念ながら、僕の一番は深冬だけど。』
青藍はそう言って深冬を抱きしめる。
「別に貴方の一番何ていらないわよ。」
それを見て、雪乃は呆れたように言った。


『あぁ、そうだよね。雪乃は橙晴の一番しか欲しくないんだったね。』
「な！？余計なことは言わなくていいのよ！」
「違うのですか？」
深冬は楽しげに言う。


「ち、ちが・・・・違わないわよ・・・。」
深冬に見つめられて、雪乃は気圧されたように言った。


「うわ、雪乃が惚気た。」
「ね。全く、これだから新婚は。」
「仲が良いよねぇ。」
侑李、京、キリトにニヤニヤと言われて、雪乃は赤くなる。


「べ、別にいいのよ。新婚なんだから。」
『あはは。開き直った。』
「青藍は雪乃のこと笑えないけどね。」
『そうかな。深冬を僕の膝の上に乗せるのは昔からだし。ね、深冬？』
「いつも青藍が引っ張り上げるからだ・・・。」
楽しげな青藍に、深冬は拗ねたように言う。


『それに、我が家では割と普通の光景じゃない？あれ、見てみなよ。』
皆が青藍に言われた方を向くと、白哉は咲夜を膝の上に乗せていた。
『ね？僕はあれを見て育っているので、特にこれが特別なことだとは思えないのだけれど、どう思う？』


「・・・うん。そうだったね。朽木家はこれが通常運転だったよ。」
蓮は疲れたように言う。
「まじか。あれ、普通の光景なのか・・・。さっきから気になっていたが。」
「朽木隊長、見せつけているよね・・・。」
「あはは・・・。さっき、咲夜さんに逃げられたからね・・・。」
侑李、キリト、京は苦笑する。


『と、いう訳で、雪乃もいずれああなる。』
「え？」
『あはは。だって、僕と父上と橙晴は、さっきみたいに何かと張り合うだろうし。』
「張り合って遊んでいる、が、正しいけどね。」
『あはは。流石蓮。よく解っていらっしゃる。だから、女性陣はその巻き添えを食うこと間違いなしって感じだよねぇ。ね、橙晴？』


「そうですね。」
「！？」
後ろから橙晴の声が聞こえてきて、雪乃は恐る恐る振り返った。

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