色彩
■ 23.対策会議

『・・・まぁ、何があってもいいように準備はしておくよ。当日は邸への出入りが自由だ。だから何かを引き連れてこられるとそれを止めることは難しい。もちろん、護衛はいるけれど。でも僕は色々とやることがあるから、ずっと深冬のそばに居ることも出来ない。皆がみんなやるべきことがある。誰かしら深冬の傍に置いておかなければ・・・。』
「あぁ。頼む。」


『あぁ、あと、茶羅の護衛も必要なのか。まさかとは思うけど、茶羅を攫ったりはしないよね?一応護衛は付けてあるけど。』
「それも解らん。最近は俺とすら顔を合わせたくないそうだ。家臣の数人が母親に協力している様子だが、俺や父親には何も話してはくれない。今、あの人がどういう状況なのかも知るのは難しいだろうな。だから、何をするか俺には読めない。」
言って豪紀はため息を吐く。


『そう。まぁでも、早めに知ることが出来て良かった。父上に母上、橙晴、茶羅にも伝えて何とか対策はしておくよ。あとは・・・ルキア姉さまか。ルキア姉さまは当日死神の方々のお相手をするから、まぁ、安全だとは思うけど。その辺は十四郎殿や春水殿に助けてもらおう。』
「そうか。とりあえず深冬とお前の妹には注意してもらっておいた方がいいな。そこに手を出されたら色々とまずい。」


『うん。父上とも相談するよ。まぁ、やる気を出せば護衛を倍ぐらいにすることも出来るのだけれど、彼らはあまり護衛向きじゃあ、ないんだよなぁ。』
剣の巫女の力で、死神の皆さんの斬魄刀に護衛してもらうのが良いのだけれどね。
相手には見えない様にすればいいし。
でも、彼らは加減を知らないからなぁ。
とりあえず、鳴神と風伯と千本桜、袖白雪に黒刃に白刃。
この六人には手を貸してもらおう。


「草薙先生も出席はするのか?」
『睦月は護衛かな。深冬か茶羅か、どちらかについて貰うことになるだろう。そこそこ戦えるうえに、最悪毒やら麻酔やらで戦えるし。睦月のポケットには色々なものが入っているんだよ。』


「それは怖いが。・・・敢えて加賀美家から護衛を出すことはしない。そこに何か潜り込ませられたりすると、逆に危険だからな。」
『あはは。そうだね。』
「だから、俺は何もできない・・・。」
悔しげに目を伏せた豪紀に、青藍は首を横に振る。


『いや、当日は全体に良く目を配っていてくれると助かる。僕らは客人の相手でてんてこ舞いだろうから。何かあったらうちの使用人に伝えてくれればいい。死神の皆さんに伝えてくれてもいいけどね。』
青藍はそう言って笑う。


斬魄刀たちに連絡を取り合ってもらおう。
そのくらいは母上がやってくれるだろう。
「お前、まだ何か隠しているんだな?」
『あはは。聞きたいなら話してあげるけど、また他言無用の秘密が増えるだけだよ?』


「・・・じゃあ、言わなくていい。だが、それは、当てにしてもいいんだな?」
『もちろん。ある意味一番確実だからね。死神の中にも事情を知っている人はいるし、協力者も色々といるのさ。』
「なるほどな。」


『そして、茶会に来るのは主に隊長格を含めた席官だ。隊長格はほとんど協力者とみなしてもいい。皆が全ての事情を知っているわけではないけれどね。まぁ、確実なのは十四郎殿と春水殿と烈先生だ。他には・・・冬獅郎さんやイヅルさん、七緒さんあたりは多分色々と気が付いて上手く動いてくれるかな。あとは蓮と玲奈さん、雪乃にルキア姉さま。ま、侑李たちが来れば彼らも動いてくれるだろう。』


「解った。当日、俺も気を付けておく。」
『うん。よろしく。じゃ、僕は仕事に戻るよ。』
青藍はそう言って立ち上がる。
豪紀もまた立ち上がって、応接室を出たのだった。

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