色彩
■ 27.座談会D

『睦月って本当に酒好きだよね。』
「俺は酒と甘味があれば生きていけるからな。」
『それもどうなの・・・。』
言い切った睦月に青藍は呆れた様子だ。
「あぁ、酒が呑みたくなってきた。」


「この後、皆で行きますか?」
「そうだね。」
「私も構わないわ。」
「僕も。」
『じゃあ、うちにおいでよ。美味しい酒と肴が出てくるよ。・・・ということで、準備よろしくね。』
青藍は天井に向かってそう言った。。


「いや、お前、何処に話しかけてんだよ。」
侑李は呆れたように言う。
『ん?朽木家の情報網。』
「は?じゃあ天井裏に誰かいるのか?」
『ふふ。それはどうかな。』


「でも、僕たちなんかが行ってもいいの?」
『いいよ。泊まってもいいし。部屋ならいくらでもあるからね。』
「俺、今日は朽木家に帰る。」
『あはは。本気で呑む気だ。まぁ、睦月は睦月の部屋があるからね。』


「青藍様、私は遠慮させていただきますわ。この後天音様と約束があるので。」
「俺と薫も遠慮するよ。先輩たちと呑みに行く約束があるんだ。」
『解りました。じゃあ、そのうち呑みに行きましょうね。』
「「あぁ。」」
『玲奈さん、天音様によろしくお伝えください。』
「解ったわ。」


『じゃあお開きにしましょうか。佳乃さん、ごちそうさまでした。お勘定は修兵さんに付けておいてください。』
「はい。畏まりました。」
『あ、そうそう。取材はここまでにしてね。流石に酔った姿を見られるのはまずいから。』
青藍はそう言ってカメラに微笑む。


「お前、酒強いだろうが。」
そんな青藍に睦月は呆れたように言った。
『ふふ。そんなことないよ。』
「青藍、お酒強いけど、酔うと可愛いんだよ。」


『蓮!余計なこと言わないの!!』
「へぇ。それは面白いことを聞いたな。皆で酔わせてやろうぜ。」
「そうだね。」
『ちょっと皆・・・。やめてよ・・・。』


そんなこんなで青藍の密着取材は終了した。
その後、朽木家にて皆が青藍を酔わせようとしたが、青藍は悉くそれを躱した。
次の日は皆仕事だったので遅くまで粘ることも出来ず、結局その企みは失敗に終わったのだった。


ちなみにこの時の青藍の取材は、瀞霊廷通信には収まりきらなかったため、別冊としてDVD付きで発行された。
発行と同時に瀞霊廷中に行き渡り、売り上げは過去最高を記録。
青藍のほかにも人気の高い死神や隊長格の出演が多かったからだろうというのが、編集長である修兵の言葉である。


また、その取材のデータを女性死神協会が買い取り、編集して青藍の写真集にしようとしたが朽木家によって阻止されたということも陰で起こっていたのだとか。
一部の取材データを編集部が隠し持とうと目論んだのだが、それもまた朽木家によって阻止される。
そんなこんなで、青藍にはとりあえず平穏が戻ってきたのだった。



2016.07.29 成長編 完
〜浄化編に続く〜
朽木家の皆さんは何かと女性死神協会の被害に遭いそうです。
ちなみに酔っぱらった青藍はそのうち出てくると思います。
かなり先のことになりそうですが。


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