色彩
■ 24.座談会A

「青藍、一回生の時に巨大虚倒したもんね。僕はこの目でしっかりと見たよ。」
蓮に視線を送られて、青藍は笑う。
『蓮だって、あの時巨大虚倒したでしょ。春水殿が応援に来た意味がなかったってぼやいていたんだから。』


「青藍、あの時あっという間に倒したよね。」
「だな。それで、けろっとした顔して帰ってきた。」
「僕ら心配して待っていたのにさ。」
「本当よ。」
『あはは・・・。』
四人に言われて青藍は苦笑する。


「正直あれには俺も驚いた。」
「僕もだよ。僕らじゃ全く相手にならなかったからね。」
「僕も驚いた。青藍、すでに六十番台詠唱破棄なんだもの。それも連続で。三席の僕だってなかなか大変なのに。」
「青藍様、霊術院時代から目立っていたのね・・・。」
「こいつは朽木家の生まれってことを隠していても目立つからな。」


『あはは。で、こっちが九番隊の朝霧侑李に十番隊の御剣京。それから十三番隊の篠原キリト。前に紹介したけど、四番隊第十五席の朝比奈雪乃。みんな僕の同期だよ。それでさっきから仏頂面で食べているのが睦月。睦月も前に紹介したね。』
「仏頂面は余計だ。」
睦月は拗ねたように言う。


『いつも仏頂面の癖に。』
「霊術院ではにこやかな好青年をやっているけどね。」
「初めて素を見たときは驚いたぜ。」
「僕も。別人かと思った。」
「でも、こっちの方が僕は好きだな。」


「そうね。にこやか過ぎて胡散臭かったもの。」
「そうか?俺は全く気が付かなかった。」
「僕も。」
「護廷隊に居る時も初めはそうだったのよ?女性隊士に大人気だったんだから。ま、今でも人気があるようだけど。顔が綺麗というのは得よね。」


「好き勝手言いやがって・・・。」
皆が口々に言うのを聞いて睦月はさらに拗ねる。
『あはは。事実でしょう。』
「ご当主のせいで朽木家とつながりがあることも公になるし・・・。はぁ。あれは面倒だった。」


『睦月、それまで以上に大人気になったもんね。』
「医務室に女子生徒が押し掛けたもの。」
「そうそう。イライラしつつも笑みを絶やさずに話していて、見ている僕らがひやひやしたよ。」
「そういう時に医務室に行くと、睦月さんに黒い笑みを向けられて超怖かったぜ。」


『あはは。・・・これが僕の友人たちです。というか、共犯者?蓮や玲奈さんも時々霊術院に来たものね。』
「ここに居る人たちは早くから青藍が朽木青藍だってこと知っていたからね。」
「睦月さんは始めから知った上で、青藍に協力していたのでしょう?」


「俺はご当主と咲夜さんに頼まれたんだよ。お蔭で色々と青藍には無茶振りさせられたが。」
睦月はそう言って青藍を見る。
『さぁて。僕、何かしたかなぁ?』


「ほう?すべてここで言ってやってもいいが?」
『あは。それを言ったら睦月も巻き添えを食らうけど?』
「・・・。」
青藍の言葉に睦月は無言になる。


「・・・まぁ、深くは聞かないけど、青藍に一番協力していたのは睦月さんだよね。」
「霊術院に死神の皆さんが乱入してくると、睦月さん、すぐに駆けつけてきたもん。」
「確かに。それで授業を自習にしたこともあったな。」
「なるほど。突然薬学の授業が自習になるのは青藍が居たからか。」


「睦月さんって意外と過保護なんですねぇ。」
「睦月さんが自習にすると、私が教えなくてはならないから大変だったわ。」
『雪乃、最終的に先生って呼ばれてたもんね。』
「・・・。」
皆が口々にいう様子に睦月は諦めたようだ。


「貴方、苦労しているのね。まぁ、朽木隊長と咲夜さんに使われているのだから仕方ないけど。」
玲奈が同情しつつそう言った。

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