色彩
■ 15.書類配達B

「噂になっているお二人ですが、実際はどうなんですか?」
『あはは。もうね、ずっとそう言われているけど、僕と雪乃はそう言う関係じゃないよ。強いて言うなら・・・共犯者?』
「そうね。術院時代はサボり仲間だったもの。青藍が朽木青藍だってこと、割と早くから知っていたし。」


『そうそう。雪乃はいつも僕のフォローをしてくれる心強い味方なのです。』
「貴方は本当に面倒事に巻き込まれるものね。ま、助けてもらったこともあるから、お互い様だけれど。」
『僕が巻き込んだようなものだったけどね。』


「私はそれで得をしたからいいのよ。あれがなければ、青藍と話すこともなかったでしょうし。こんなに早く席官にもなれていないわ。」
『それは雪乃が頑張ったからだよ。僕が居ようと居まいと関係ないさ。』


「・・・げ。なんでお前此処に居るんだよ。」
そんな話をしていると睦月が現れた。
『あ、睦月。丁度いい所に来た。おいで?』
「いや、俺は・・・。」


『ふふふ。もちろん、来てくれるよね、睦月?さっきは逃がしてあげたでしょ?』
青藍はこれ以上ないくらいの微笑みで言った。
「・・・はいはい。」
その微笑を見て睦月は諦めたように青藍の元へ寄ってくる。
『睦月、頼まれたものは阿近さんに渡してきたよ。それから、これは六番隊の常備薬の追加。よろしく。』
「あぁ。わかった。出来たら届ける。」


『睦月は朽木家の医師でもあるんだ。死神ではないんだけど。生まれたときからお世話になっているんだよね。』
「そうだな。お前を取り上げたのは俺と卯ノ花さんだからな。あれが、こんなにでかくなるとは。お前、今身長いくつだ?」
『184センチぐらいかな。父上を追い越しましたぁ!やったね!』


「はいはい。ご当主に勝ってるのは身長ぐらいだけどな。」
睦月が面倒くさそうに言う。
『五月蝿いなぁ。その他のことはこれから抜くからいいんだよ。僕の目標は父上なんだから。』


「青藍、ずっと朽木隊長を目標にしているものね。」
『まぁね。でも、僕が進むと、父上も進むから、中々追いつけないんだよねぇ。』
「朽木隊長は手を抜いたりしないもの。当然よ。いつ眠っているのか心配になるくらいだわ。」


『ふふ。そう?父上はちゃんと睡眠時間をとっているよ。母上がその辺は上手くやってくれているんだ。仕事中も休憩させるために六番隊に来るし。集中すると時間を忘れる人だから。』
「朽木隊長の薬歴を見て驚いたわ。咲夜さんと婚約する前は疲労で熱を出すこともあったようだけど、咲夜さんが来てからは、それが一度もないの。」


『ふふ。それは、母上が上手く休ませているからね。それから、睦月がちゃんと体調管理もしてくれているから。父上の異変にもすぐに気が付いてくれるし。ありがとう、睦月。』
青藍はにっこりと微笑んだ。
「俺は朽木の医者として当然のことをしているまでだ。礼なんか必要ないね。」
睦月はそんな青藍から目を逸らして言う。


「素直じゃないわね。そんなに照れなくてもいいのに。」
『あはは。これが睦月だからね。』
「好き勝手言いやがって。照れてなんかないっての。」
『はいはい。じゃ、僕もう行くね。』


「青藍、やっと帰ったか。これ、読んでおけ。」
青藍が六番隊に戻ると、恋次がそう言って書類を差し出す。
『あぁ、午後の任務の調査書ですね。ありがとうございます。これ、昨日の報告書です。確認お願いします。』


「解った。咲夜さんたちが隊主室に居る。昼休憩に行って来い。お待ちかねだぞ。」
言われて青藍は霊圧を探る。
茶羅もいるようだ。
『恋次さんは休憩しましたか?』
「俺もこれが終わったら休憩に入る。あと、この書類、隊長に渡してくれ。十番隊との合同演習の予定表だ。問題がなければこれで進める。ちなみに日番谷隊長からは了承を貰っている。」


『はい。では、先に休憩に入らせてもらいます。・・・皆さんも休憩なさってくださいね。』
青藍はそう言って取材班を見る。
「お気遣いありがとうございます。」

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