色彩
■ 34.質問コーナーA

「朝比奈十五席と朽木三席は付き合っているのですか?」
『あはは。それも噂?』
「ずっとあるけどな。その噂。」
「そうそう。知らないのは青藍位だよ。」
「そうね。お蔭で私はよく呼び出されたわよ。まぁ、今も全くない訳ではないのだけれど。」
雪乃は疲れたように言った。


『それはお疲れ様。付き合ってないよね。』
「そうね。私では青藍の相手は無理よ。この人は友達位が丁度いいわ。」
『あはは。それ、酷くない?でもこの間朝比奈家からお見合い写真が送られてきたよ。』
「そんなのお父様の悪ふざけに決まっているでしょう。」
『そうだと思った。でも、お見合いから逃げきれなかったらよろしくね、雪乃。断ってくれてかまわないからさ。』
「断る権利があるのは青藍の方だわ。」


『そうかな?でも僕と結婚したからと言って僕が朽木家の当主になるとは限らないし。丁度いいから言っておくけど、朽木家の当主になるのは僕ら三人の中で当主になるっていった人だからね。僕は長男だけど当主にはならない可能性もあるわけだ。つまり、お見合い写真を送る相手はちゃんと選んだ方がいいよ。朽木家の権力が欲しいならね。』
青藍はそう言って微笑む。


「お前それ、見合いが面倒なだけだろう。」
『あはは。それもあるけど、嘘は言っていないよ。邸の僕の部屋がお見合い写真で埋まりそうなんだよね。どうしようか。』
「さらっと自慢か。そうかそうか。そんな青藍には天誅だ!」
侑李は青藍にチョップを繰り出す。
『わぁ!?何するの?』
「うん。なんとなくだ。」


「青藍ってなかなか相手を見つけなさそうだよね。」
「確かに。この間、朽木副隊長に相手がみつからなかったら僕がもらってあげるとか言ってたよ。」
「まじで?その手の青藍の発言は本気か冗談かわかんねぇから怖いわ。」
「実際どうなの?」


『ふふ。やだなぁ。あの可愛い姉さまに相手が見つからないわけがないでしょう。もしもの話だよ。ま、僕か橙晴と姉さまが結婚すれば、姉さまはずっと朽木家に居るってことだからそれはそれで嬉しいけど。』
橙晴は青藍の言葉に頷いている。


「貴方たち、本当に朽木副隊長のこと好きよね・・・。」
それを見た雪乃は呆れたように言った。
『当然。姉さまは可愛いんだから。』
青藍は堂々と言い切る。


「朽木副隊長に手を出した奴が居たとき、青藍めっちゃ怖かったもんな・・・。」
「あぁ。あれは怖かったね・・・。」
「相手が死んじゃうかと思った・・・。」
「私も見ていられなかったわ・・・。」
四人はそう言って遠い目をする。


『ふふふ。あれは流石にやりすぎたと思っているよ。だからあの後ちゃんと謝罪に行きました。父上にもちょっと叱られたしね。』
「あれだけやってちょっと叱られるだけなのかよ。朽木家って恐ろしいな。」
ぞっとしたように侑李が言った。


『当たり前でしょう。ルキア姉さまに手を出して無事だったのが奇跡だよ。あの場で母上が暴走する可能性もあったし。あの時父上がそこに居たら相手は切り刻まれていただろうし。うん。あの二人を相手にするよりは、僕が一番やさしいよね。』
「「「「それはない。」」」」


『酷いなぁ。そんなことないのに。』
青藍は拗ねたように言った。
「あれを見せないために朽木副隊長の目と耳を塞がせた奴が何を言っているんだ・・・。」
「本当だよ。僕らだって目と耳塞ぎたかったよ。」
「何も見なかったことにしたかったわよ。」
「でも怖くて動くことも出来なかったんだよね・・・。」
四人はそう言って軽く震える。


『ちょっと。それ以上言ったら皆僕のこと怖がるじゃないの。』
「はは。こいつ、普段穏やかだけど、怒らせたら護廷隊で一番怖いぞ。」
「そうだね。まず、青藍が怒ると朽木家が敵に回る。」
「そして浮竹隊長や京楽隊長が敵に回る。」
「きっと総隊長や卯ノ花隊長もね。」
「それ・・・少なくとも瀞霊廷では生きられないってことだよね・・・。」


「そうはいっても青藍はそんなに怒ることはないか。」
「そうだね。僕らが見たのはそれ一回だし。」
「私も一応見たのは一回だけよ。」
「みんな、何があっても青藍の大切な人に手出しは禁物だよ?わかった?」
キリトの問いに院生たちは大きく頷く。


『僕そんなに怖くないのに。』
青藍はそれを見て拗ねる。
「こら、青藍!拗ねないの。」
キリトは叱るように言った。
『・・・。』
青藍は不満げにそんなキリトを見る。


「青藍?返事は?」
そんな青藍にキリトは頬を膨らませる。
『・・・はぁい。』
青藍は仕方なくそう言った。


「・・・実はキリトも強いんだな。」
「そのようね。あの子、隊長たちにも気に入られているのよね・・・。」
「咲夜さんが稽古をつけているって話だよ。首席卒業は伊達じゃないね。」
「何か俺たちの友人って・・・。」
「「「恐ろしいね。」」」

[ prev / next ]
top
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -