色彩
■ 28.六番隊の人々

『それで、自分の隊について話すんだっけ?じゃあ僕から話すね。六番隊の隊長は朽木白哉。朽木家歴代最強と謳われるほどの実力の持ち主だよ。そして僕の父上です。副隊長は阿散井恋次。多少がさつだけど、面倒見のいい兄貴分って感じのお兄さんだよ。正反対なタイプの二人だけど、なんだかんだで息ピッタリなんだ。』


「青藍と朽木隊長も息ピッタリだけどな。」
「うんうん。いつも阿散井副隊長を二人でからかっているんだよ。」
「阿散井副隊長、大変だよね。」


『ちょっと、僕がいじめているみたいに言わないでよ。どちらかと言えば、父上の方が楽しんでいるんだから。霊圧消して突然姿を見せるのだって半分遊びなんだよ。まぁそれは他の隊長たちも同じようなものだけど。』
青藍は心外だという風に言った。
「青藍だって楽しんでいるくせに何を言っているのよ・・・。」
そんな青藍に雪乃は呆れた顔をする。


「でも、あの二人どうして仲良いんだろうな?」
侑李は首を傾げる。
「正反対だから惹かれあうって奴じゃない?」
「でも見ていてしっくりくる二人だよね。」
「あら、当然よ。青藍が生まれる前からずっと隊長副隊長なのよ?」


『ふふふ。それは多分恋次さんのお蔭じゃないかな。』
「そうなの?」
『うん。恋次さんは、父上に初めて正面からぶつかった人なんだよ。朽木家とか、隊長とか関係なく、ただの朽木白哉にぶつかった人なんだ。たぶん、それが始まり。それからもう一人父上にぶつかって行った人が居てね。父上は、その人と恋次さんに、世界を変えられたのさ。ルキア姉さまが生きていることだってその二人のお蔭みたいなものだし。』


「へぇ。阿散井副隊長って格好いい人だったのね。知らなかったわ。」
「雪乃、それ、阿散井副隊長に失礼だよ。」
「あら、ごめんなさい。聞かなかったことにして。」


『ふふ。出身も、性格も味覚の好みも正反対だけど、ちゃんとお互いに認め合っているのさ。だから、あの二人はいい関係なんだと思う。父上の我が儘に振り回されている恋次さんは大変だろうけど。』
「はは。阿散井副隊長は泣きそうになりながらやっているけどな。」


『あはは。そうだね。そして辛党の父上と、甘党の恋次さんでお茶菓子の攻防をしている姿はなかなか面白い。』
「何をやっているのよ・・・。」
雪乃は呆れたように言う。


『父上が、恋次さんのお菓子を七味煎餅にすり替えたり、六番隊のお茶菓子を全部塩辛いものにしたり、いろいろやっていてね。まぁ遊びなのだけど。恋次さんはそれを阻止しようと一生懸命なのさ。僕はそれを隊士たちと傍観している。お茶を飲みながら。隊士たちなんか、今日はどちらが勝つのか、賭けていたりすることもあるよ。』


「・・・六番隊って意外と自由なんだな。」
「賭けって・・・朽木隊長はそれを黙認しているの?」
『度が過ぎなければ、好きにすればいいと思っているのではないかな。それで隊士たちが息抜きできるなら別にいいんだろうね。』
「朽木隊長はそこまで考えているの?」
キリトは目を丸くする。


『ふふふ。それはどうかな。自分に害がなければどうでもいいと思っているのかもしれないし。僕も黙認しているしね。』
「あ、俺、それ知ってるぜ。一か月間で青藍に告白した人数を当てるって奴だろ?」
『あはは。そうそう。よく知っているね。』
「呆れた人たちだわ・・・。」
「青藍モテるからねぇ。全部断っているようだけど。」
「勿体ねぇやつ。」
『あはは。』

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