色彩
■ 10.任務完了

『逃がさないよ。』
青藍がそういうと、虚の後ろに雷の壁が出来た。
虚の体に触れるとバチバチと痛みを与える。
「くそ!」
そう言って虚は虚閃を放とうとする。


『遅い。縛道の六十一、六杖光牢。』
虚が虚閃を放つ前に縛道が虚を捕えた。
「しまっ!!!」
虚は逃げようともがくがその程度で逃れられるものではない。


『これで終わりだよ。・・・二の裁き、雷火!』
雷が虚へと向かっていく。
そして、そこから大きな炎が湧き上がり、虚を包み込んだ。
炎に焼かれた虚は悲鳴を上げながら消え、青藍はそれを見届けると斬魄刀を鞘に納めた。


「青藍!見事だったぞ。」
そんな青藍の元へルキアたちが駆け寄ってくる。
『ふふふ。姉さまに褒めて頂けるとは光栄です。』
「流石青藍だ。」
ルキアはそう言って青藍の頭を撫でる。


『また子ども扱い・・・。』
青藍はそう言って唇を尖らせる。
「ははは。・・・強くなったのだな、青藍。」
『これでも一応姉さまより強いんですからね。』
青藍はそう言って頬を膨らませる。
「そうだな。」
そんな青藍をみて、ルキアは微笑んだ。


「凄いね!青藍!!」
横で見ていたキリトが目を輝かせて言った。
『ふふ。ありがとう。』
「現世実習で虚が出てきたときの雷の音は青藍だったんだね。」


『あはは。そうだね。そんなこともありました。』
「もう、青藍、僕らに隠し事ばっかりなんだから!あのときだって先輩たちに頼んで結界の中から見えなくしたんでしょ?先輩から聞いたんだから!」
キリトは不満げに言った。


『あは。ごめんって、キリト。今日はちゃんと見せたんだからいいでしょ?許してよ。』
「・・・許してあげない。」
キリトはそう言ってそっぽを向いた。
『それは困ったな・・・。』
そんなキリトをみて青藍は困ったように眉を下げる。


「青藍はキリトには敵わぬようだな。」
ルキアはからかうように言った。
『姉さま、面白がらないでください。ねぇ、キリト、許してよ。あとでお菓子あげるから。』


「青藍ってば僕がいつまでもお菓子に釣られると思っているでしょう。僕はもうそんなものでは釣られません。浮竹隊長がくれるもの。」
『そんなぁ。』
青藍は情けない声を出す。


「隊長はキリトを可愛がっているからな。顔を合わせる度にお菓子を与えているのだ。」
『餌付けだ・・・。』
「ふふ。そういうな。青藍だって貰っているだろう。」
『・・・十四郎殿にお菓子禁止令でも出そうかな。』
青藍はポツリと呟く。


「それに、咲夜姉さまもキリトを可愛がっておられるのだ。最近はキリトに稽古をつけているのだぞ。」
『本当ですか!?皆してキリトを懐かせようとして・・・。確かに小動物みたいで可愛いけどさ。』
青藍は拗ねたように言った。


「僕、可愛くないもん。」
キリトはさらに頬を膨らませる。
『可愛いよ?この膨らんだほっぺとか。』
青藍はそう言ってキリトの頬を突く。


「青藍!!」
そんな青藍にキリトは攻撃を開始する。
『わぁ!ごめん、ごめんって!もうしないから!』
青藍はそんなキリトから逃げる。


「それ前にも聞いた!」
キリトはそれを追いかけていく。
そんな二人に笑みを零しながら、ルキアたちは帰途についたのだった。

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