色彩
■ 2.副隊長との手合せ

咲夜の掛け声とともに青藍と恋次の打ち合いが始まった。
斬魄刀が交わるたびに金属音が響き渡る。
「おれ、お前みたいなタイプと戦うの苦手なんだよ・・・。」
『あはは。恋次さん、いつも父上に負けていますものね。斬魄刀の解放なしの打ち合いでは最近は僕にも負けていますけど。』


「うるせぇ!」
恋次はそう言って青藍に斬りかかるが、青藍はそれを受け流した。
『ふふ。事実じゃないですか。』
「お前、喧嘩売ってんのか・・・?」


『嫌ですねぇ、そんなことするわけないじゃないですか。』
青藍は恋次の攻撃をひらり、ひらり、と躱しながら言った。
「こら、青藍。恋次で遊んじゃダメだぞ。」
『あはは。はい、母上。』


「俺で遊ぶなっつうの!」
『きゃー恋次さんが怒った!』
青藍はそう言って逃げるふりをする。
「おいこら、待て!」
恋次はそれを追いかける。


『ふふ。挑発に乗りやすい人ですねぇ。』
青藍はそう言って恋次の隙を突き斬魄刀を振り下ろす。
「うわ、あぶねぇっての。」
恋次はそれをすれすれでよけた。


『その割には余裕そうですけど。』
「当たり前だ。お前だってそうだろ?」
『ふふふ。どうでしょう?』
「・・・青藍、遊んでいるな。そう時間を取れるわけでもないのだ。」
白哉が呆れたように言った。


『あら、父上にまで言われてしまいました。これは真面目にやるしかありませんね。』
「最初からまじめにやれよ・・・。」
『それはお互い様です。』
「恋次、青藍、真面目にやらないか。じゃないと、私が乱入するぞ。」
「げ。」
咲夜の言葉に恋次の表情が固まる。


『あはは。それもいいですねぇ。』
「いや、青藍、良くないだろ。あの咲夜さんだぞ!?」
『ふふ。冗談ですよ。・・・さて、そろそろ真面目にやらないと父上に怒られてしまいますね。行きますよ、恋次さん。』
「お?おう!」


青藍はそう言って恋次に向かって打ち込んだ。
恋次もそれに応える。
それまでよりも数段早くなった動きに新入隊士を始めとした見物人の隊士たちが目を丸くする。
キン、と斬魄刀の音が響くたびに霊圧によって引き起こされる風が砂埃を巻き上げた。
その迫力に周りのものは息を呑む。
二人の動きはすでに席官レベルでなければ見ることは出来ない。


『ふぅ。さて、恋次さん、いきますよ。ちゃんと逃げてくださいね。・・・縛道の六十一、六杖光牢!』
「!!!」
青藍の放った縛道が恋次を捕えた。
『逃げてって言ったじゃないですか。恋次さんの負けですね。』


「お前の隊長並みの鬼道を避けることが出来るのは咲夜さんぐらいだ。・・・わかった。俺の負けだ。」
その言葉に青藍は満足げに笑って鬼道を解いた。
『ふふ。ありがとうございました。』
「・・・これで分かったであろう。」
白哉はそう言って隊士たちを見回す。


「これでも文句があるなら、青藍と直接手合わせをするんだな。あぁ、でも、青藍を怒らせるようなことはしないでくれよ。青藍が怒ると怖いからな。私と白哉でも敵わない。」
『そんなことはありませんよ、母上。』
「そうだったか?」
『そうです。ね、恋次さん。』


「いや、怒ったお前は相当怖いぞ・・・。」
恋次は何かを思いだしたのか小さく震える。
『僕は怖くありません。』
その様子に青藍は拗ねる。
「あはは。まぁ、君たち、青藍をよろしく頼むよ。多少我が儘で世間知らずだが、それはご愛嬌ということで。」


『我が儘で世間知らずなのは父上では・・・。』
「・・・何か言ったか、青藍。」
青藍の言葉に白哉は横目でちらりと青藍を見る。
『いえ、何も。さぁ、父上、時間がないのでしょう?』
青藍はそれをさらりと流し話題を逸らす。


「・・・お前って、本当に恐ろしい奴だな。」
それを見ていた恋次は顔を青くしていった。
「あはは。私と白哉の子だからな。」
「そっすね・・・。」

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