色彩
■ 騒がしい日々A後編

『さて、みなさん、両親がお騒がせいたしました。』
白哉の姿が見えなくなってから、青藍は教室の皆に頭を下げる。
『睦月。このまま授業を続けるかい?』
「いえ。今日はもう自習でいいでしょう。咲夜様のお傍に居なくてはなりませんからね。」


『そうだね。』
「今日やったことの復習をしておくこと。次の授業で小テストを行います。赤点者には薬草園の草むしりを手伝ってもらいますから。今日の授業で解らないことがあれば、篠原君に朝比奈さん、青藍様あたりに聞くと良いでしょう。青藍様、お願いいたします。」


『えぇー。薬学は雪乃が一番だよ。ね、雪乃。』
「私に全員教えろというのかしら?」
『ふふ。そのくらい、雪乃なら朝飯前でしょ?』
「・・・自分で教えるのが面倒なだけでしょう。茶羅様や橙晴様にはいつも教えているくせに。」


『あはは。あの二人は特別。ね、いいでしょ?雪乃。』
「・・・はぁ。解ったわ。皆さん、質問があれば私の所に来なさい。」
『流石雪乃。頼りになるなぁ。』
「あとで琥珀庵の限定パフェを奢ってもらいますからね。」


『ふふ。いいよ。何なら僕が抹茶を点ててあげる。』
「それは贅沢ですねぇ。僕もご一緒したいなぁ。」
睦月はそう言って微笑む。
『仕方がないから睦月も仲間に入れてあげよう。じゃあルキア姉さまも呼びましょうか。侑李たちも行こうね。赤点取ったら連れて行かないけど。』


「よし!じゃあ赤点取らないように頑張るぜ。」
「僕も。あそこのパフェ、美味しいんだよね。」
「燿さんも優しいしね。」


「もちろん、私も連れて行って出さるのでしょう、青藍兄様。」
話を聞いていたのか、茶羅が窓から顔を出した。
『茶羅!?』
「僕も居ますよ、青藍兄様。」
続いて橙晴も顔を出した。


『橙晴まで。二人とも、何をやっているの・・・。というか、今日は来客が多いなぁ。最近、皆して出入り自由すぎない?』
「そうですか?父上と母上が帰ってきたと思ったら、母上は風邪を引いているって。」
「そうそう。それで僕らの相手をしてくれないので邸を抜け出してきました。どうせ父上は母上に付きっ切りなのでしょう?」
二人はそう言って笑う。


『困った子たちだなぁ。』
青藍はそういいつつも微笑む。
「ね、兄様、遊びましょ?護廷隊に連れて行ってくださらない?」
「僕も行きたいです!兄様、行きましょう。兄様が霊術院に入ってから僕らは退屈で仕方がないのです。ルキア姉さまとお昼を食べるためにお弁当も持ってきたのですよ。」
『でも・・・。』


「「兄様、お願い。」」
橙晴と茶羅はそう言って青藍を上目づかいに見つめる。
『二人とも、可愛い。うん。いいよ。兄様が連れて行ってあげる。でも、兄様のそばを離れてはいけないよ?それに、姉さまの仕事の邪魔はしないこと。』
「「はい!兄様、大好き!」」


『と、いうわけで僕はこの後の授業はサボることにした。』
「青藍・・・。この二人には甘いのね。」
堂々とサボり宣言をした青藍に、雪乃は呆れたように言った。
『あはは。こんなにかわいい子たちにお願いされたら断れません。』
青藍はそう言って二人を抱きしめる。


「青藍も弟たちには弱いんだね。」
キリトはそう言って苦笑する。
「いつものことだろ。」
「そうだね。」
侑李と京は呆れたようにそう言った。


『ふふ。じゃ、僕はこれで。二人とも、行くよ。』
「「はぁい!」」
青藍はそう言って楽しそうに窓から出て行ったのだった。



2016.07.08
青藍の居る特進クラスは、何かと朽木家が現れるので授業が滅茶苦茶になることもしばしば。
特に睦月の授業だとすぐに放置されます。
でも雪乃やキリトが代わりにみんなに教えるので、特進クラスの成績に影響はありません。
青藍は双子にお願いされるとすぐに授業を放棄します。
先生方は見て見ぬ振り。


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