蒼の瞳、紅の瞳
■ 21.副隊長三人組

さてさて、次は誰にしようかな。
うん?
誰かあそこに鬼道で隠れているな。
咲夜は鬼道の気配がする方に向かって足を進める。


『うーん・・・。あそこかな。破道の三十一、赤火砲。』
咲夜が鬼道を放つと、空間にひびが入った。
「きゃあ!?」
そんな声をあげながら現れたのは桃だった。
「咲夜さん!?なんで!?」


『ごめんねぇ、桃。少し、眠ってくれ。』
咲夜の言葉に、桃の体がぐらつく。
「これは・・・白伏。」
それを最後に桃の体から力が抜けた。


『おっと、わるいね。私は力を見せなければならないのだ。さて、真子さんは参加していないから、きっと五番隊舎に居るだろう。桃を預けてこよう。そしたら、一度闘技場に戻って誰が捕まっていないのか確認してこよう。』


桃を預けて、闘技場にいくと、そこにはすでに多くの隊士たちがいた。
こんなに捕まっているのか。
さて、あと捕まっていないのは・・・。
京楽、剣八、白哉、冬獅郎、ルキア、恋次、イヅル、修兵、それと黒崎か。


浮竹は途中棄権だと?
全く病弱なのも困ったものだ。
三席以下の隊士はもうほとんど動けなくなっているようだな。
後二時間か。
隊長相手は時間がかかるんだよなぁ。


とりあえず、副隊長を片付けるかな。
近くに居るのは・・・恋次とイヅルと修兵だな。
三人で戦っているのか?
でも、霊圧が衝突している感じじゃないな。
まぁいいか。
集まっているならちょうどいい。
一気に捕まえてやる。
咲夜は霊圧を消し、鬼道で姿を見えないようにしてから三人が居る方へ向かった。


「あと残っているのは、浮竹隊長以外の隊長と、黒崎一護、僕らに朽木さん、それから咲夜さんだ。」
恋次にイヅル、修兵は瀞霊廷内の森の中で作戦会議をしていた。
「・・・咲夜さんって平隊員に分類されてたよな?」
「そうですね。咲夜さんが出てくると非常にやりにくくなりますね。恐らく、隊長たちが最も警戒しているのも咲夜さんです。」


「咲夜さんがでてきても、俺らは捕まえられねぇってことか。」
「そうなんだよ。だから僕らはこうして協力して作戦を立てようとしているわけだけれど。」
「俺はあの人に勝てる気がしないんだが。」
「檜佐木さん、そういうこと言わないで下さいよ。まぁ、俺もそう思いますけど。」


「・・・阿散井君、君は朽木隊長を捕まえたいんだよね?」
「あぁ。できることならな。」
「それじゃあ、朽木さんを仲間に引き入れようか。彼女に朽木隊長の相手をしてもらって、隙が出来たら僕ら全員でかかるというのはどうだろう。」


「吉良・・・お前って実は悪い奴だよな。」
イヅルの提案に修兵は呆れたようにそう言った。
「うるさいですね。斬魄刀が使えないのに正面から行っても僕らが隊長たちに敵わないのは事実じゃないですか。」
「ルキアを利用するなんて、朽木隊長に知れたら俺の命が危ないだろ!」


「じゃあどうするんだい?」
イヅルの問いに恋次は考える。
そして、何か思いついたようだった。
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