蒼の瞳、紅の瞳
■ 20.二人目と三人目

咲夜がターゲットを求めて走っていると、向こう側から多くの隊士たちが駈けてきた。
『ん?なんだ?まぁ、いいか。全部伸しておこう。』
咲夜はそう呟くと、20人ほどいた隊士たちをあっという間に伸してしまった。
腕輪をとるのは面倒だからそのままでいいか。


遠くに人影が見える。
それは更木剣八であった。
なるほど。
みんな逃げてきたのか。


『・・・剣八と戦うのはめんどうだなぁ。時間制限がなければ別にいいんだが。』
咲夜がそう思って居ると、
「一護!!どこに行きやがった!!俺とやり合えよ!!」
・・・黒崎を探しているらしい。


あたりを見回すと、近くの屋根の上に黒崎の姿が見える。
『がんばれ、黒崎。剣八は君に任せた。あ、あそこに弓親と一角が居る。二人を捕まえておくか。』
咲夜は小さくそう呟いて、剣八に気付かれぬようにその場を去った。


「おらおらおらぁ!!この程度で俺を捕まえられると思うなよ!!」
咲夜が二人のもとへ行くと、一角と弓親は30人ほどに囲まれていた。
咲夜は迷いなくその中に飛び込み、十一番隊の隊士、席官と思われる者たちをあっという間に地に沈めた。


『そうかい?じゃあ、私が相手だ。』
突然崩れ落ち隊士たちを見て驚いている二人の後ろから咲夜は声をかけた。
「「!!」」
二人は咲夜の登場に、すぐさま瞬歩で距離をとる。
『おや?どうしたんだい?』
咲夜はそんな二人を挑発する。


「いくぜ、漣さん。」
その言葉とともに一角は斬魄刀を抜いた。
「僕は観戦させてもらうよ。」
弓親は近くの塀の上へと移動する。
『悪いね。時間制限があるから、すぐに終わりにしてあげるよ。』
咲夜の言葉に一角はニヤリと笑い、そして咲夜に斬りかかってきた。


するりとその攻撃を躱して、指先を彼らに向ける。
『・・・縛道の六十一、六杖光牢。』
咲夜が放った鬼道が一角と弓親の動きを止めた。
「「な!?」」
『ふふふ。時間がないと言っただろう?』


「っくそ。そんなのありかよ。」
「疑似重唱か。」
『さて、これはもらっていくよ。またな。』
咲夜は二人の腕輪をとると、鬼道を解くこともせず、手を振って去って行った。
「「このまま放置!?」」
そんな叫び声が響いたとか響かなかったとか。
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