蒼の瞳、紅の瞳
■ 18.追いかけっこの始まり

尸魂界に呼び出された一護の前に、人影が降りてくる。
『やぁ、よく来たね。』
「咲夜さん。俺、なんで呼ばれたんすか?」
『あれ?聞いてないの?』
「はい。浦原さんに強制的に連れてこられたので・・・。」
『まったく、喜助の奴め。まぁいい。・・・ふふふ。今日はね、追いかけっこの日なのだよ。』


「・・・は?」
なにやら楽しそうな咲夜の言葉に、一護は間抜けな返事をする。
『いやぁ、実はね、私のことが気に入らない連中がいるらしくてね。主に隊長たちのファンのようなんだが。かなり前からこんなものが送られてきていたのだ。』
咲夜はそう言って一護たちに一枚の紙をみせた。


「なになに・・・「席官でもない実力の無いものが隊長たちにこれ以上近づくな。」ってこれ、嫌がらせすか?」
それを見た一護が咲夜に問う。
『そうだ。まったく、この私に喧嘩を売ってくるとはね。』
「喧嘩を売られている割にはなんか楽しそうだな。それで、なんで追いかけっこなんだ?」


『こんなものが来ていたのが白哉にバレてな。このまま放っておくわけにもいかなくなったのだ。白哉が犯人を見つけ出して処分を下すと言ってきかないのだよ。さすがにそれでは犯人が可哀そうだろう?あの朽木家を敵に回すことになるのだからな。だから、私の実力を手っ取り早くみんなに見せつけるために、追いかけっこ大会を開催することにした!!斬魄刀の解放以外なら何でもアリだ!』


「・・・へぇ。」
堂々と言い放つ咲夜に一護は若干引いているようだ。
「で、なんで俺?」
『君の死神内での知名度は相当高いからな。実力もよく知られている。有名人が参加すれば、参加者の気分も上がるだろう?観客も増えるしな。それで私が、みんなの前で隊長格たちを捕まえることが出来れば、相手も納得してくれるのではないかと思ったのだよ。』


「はぁ。なるほど。俺は客寄せパンダ的な役割ってことか。でも、普通の死神には隊長格クラスの速さに目が追い付かないんじゃないか?」
『それは心配ない!技術開発局に頼んで、瀞霊廷のあちこちにカメラが設置されている。それをスローで再生すれば、一部始終を確認できるという訳だ。』
「なんつーか、無駄に力が入ってますね。」


『ふふふ。面白いだろう?まぁ、私の個人的な理由による開催ではあるが、隊員の実力を見るのにも丁度いいだろうと、山じいも許可をくれた。』
「あの爺さんも咲夜さんには甘いんすね。」
『山じいは私の先生だからな。さて、これから開会式が始まる。ルールはきちんと守るようにな。』
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