蒼の瞳、紅の瞳
■ 16.死神代行

一護が総隊長に話があるというので、咲夜は一護とルキアとともに尸魂界に帰還した。
「一護、総隊長の許可が下りた。」
「そうか。」
一番隊の隊舎へ向かっていると恋次が現れる。


「よう、恋次。元気か?」
「おう。・・・いや待て待て待て。お前突然何しに来てんだよ?」
『総隊長に会いに行くのさ。今頃隊長たちが招集されていることだろう。』
「面会の許可がおりたのだ。恋次、お前も行くか?」
「・・・あぁ。」


心配性だねぇ。
恋次は。
『ほら、行くぞ、恋次。ぼーっとするな。』
咲夜はそういって恋次の肩に手を置く。
「でも・・・。」
『大丈夫だ。私が保障する。』
「・・・はい。」
そういう咲夜の瞳を見た恋次は、その言葉にうなずいた。


隊舎内に入ると、隊長たちが揃いつつあった。
・・・浮竹の姿は無いようだったが。
まったく、変なところで気が弱いんだから。
いまの黒崎を見たら、誰も恨んでいないことなんてすぐにわかるのに。


「早う入らんか。・・・咲夜、お主も立ち会うがよい。」
後ろから現れた山じいがそう言った。
なるほどね。
黒崎が尸魂界に害をなすつもりがあるようなら捕えよということか。
そんなこと心配する必要なんてないと思うけどなぁ。


『はいはい。お任せください。』
山じいが来たことで隊主会が始まった。
恋次とルキアも末席に控えている。


「・・・許してええんか?」
真子さんの言葉に一護は頭をかく。
「許すも何もねぇよ。・・・あいつはただの死神代行だ。」
ほら、ね。
その言葉に他の隊長たちも安心したようだった。
もちろんもともと疑っていたわけではないだろうが、もしものことを考えると心配だったのだろう。


そして、黒崎一護の要望が聞き入れられ、隊主会は終了した。
『ふふふ。さて、京楽。浮竹のところに行こうじゃないか。』
隊主会が終わると咲夜は京楽にそう言った。
「そうだね。きっと、浮竹は心配しているだろうから。」
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