蒼の瞳、紅の瞳
■ 15.無意識な橙色

『ふぅ。』
咲夜が気を失った一護を見て手を止めると、喜助がやってきた。
「おや?黒崎サンどうしたんです?」
『気を失っただけだ。』


「気を失っただけって・・・。貴方って人は相変わらず恐ろしく強いですねぇ。黒崎サンは、藍染と戦った人ですよ?それを斬魄刀も使わずに気絶させるなんて。」
『そうか?でもこの子も十分強いぞ。私とこれだけ長い時間やりあえる奴はそういない。』
「・・・戦うことに支障はなさそうッスね。」


『あぁ。霊圧も安定している。それにこの子はまだまだ強くなるぞ。身体能力も高いし、反応もいい。体も成長して逞しくなったようだし、根性も体力もある。そしてなにより、戦いのセンスが抜群だ。戦いの中で色々なものを吸収していく。それも意識してやっているわけではないらしい。見てくれ。』
咲夜はそう言って腕をまくって喜助に見せる。


「うわぁ。痛そうッスね。」
『痣だらけだ。無意識に反撃したのがこんなに。意識してした攻撃は読むことができるから対処できるが、あの速さで無意識に反射的に反撃されると私でも対処しきれなかった。恐ろしい子だ。』
咲夜はそう言いつつ、腕の痣を治療していく。


「咲夜サンを痣だらけにするなんて・・・。思って居た以上ッス。」
『ふふふ。大事に育ててやれよ。』
「いやぁ、アタシが教えられることはもう何もありません。後はもう実践で身に着けていくしかありません。」
咲夜は自分の傷を治し終わると、一護の回復を始めた。


『まぁ、そうだな。鬼道はからっきしなんだろう?』
「えぇ、まぁ。でも、向いていませんね。必要ないというべきか。基本的に鬼道は戦いの補助につかうものですから。」
『そうだな。よし。これでいいだろう。黒崎、起きろ。』


「んあ?あれ?俺は・・・。」
『私に吹き飛ばされて意識を失った。』
「あぁ、そうだった。最後のやつだけ追いきれなかった。あんたすげぇんだな。」
『ふふふ。君はまだまだ発展途上だからな。そんな奴に負ける私ではない。』
「ちくしょう。いつか絶対勝ってやる。」
『望むところだ。』
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