蒼の瞳、紅の瞳
■ 13.いつぞやの恨みを晴らす

「私は泣いてなどおりませぬ。」
一護とそんな話をしていると、任務が完了したのかルキアと恋次が戻ってきた。
『そうだっけ?』
「そうです!!」


「どうせピィピィ泣いてたんだろ?」
一護がルキアをからかうようにいう。
「違うと言っているだろう。貴様は脳みそまで腑抜けてしまったのか?さっきまでピィピィと泣いていた奴が何を言っておるのだ。」


「なんだと!?」
「おいおい、お前ら落ち着けよ。」
「恋次!?何をする!!離せ!!こやつを殴らねば気が済まぬ!!」
『まぁまぁ落ち着いて。恋次は先に帰れ。ルキアと黒崎は、喜助のところに行くぞ。一心もそこに居るだろうからな。君たちの友人もそこに居る。』


「あぁ。そうだな。」
「そうだ。井上は無事か!?」
『うん。喜助が連れて行ったから大丈夫だろう。さぁ、行くぞ。恋次、あとは頼んだ。』
「はい。」


『喜助、いるか?』
「咲夜サン。それに朽木サンと黒崎サンも。」
「浦原さん、あんた俺のために刀を開発してくれたんだよな。・・・ありがとな。」
「いいんですよォ。正直黒崎さんが居ないと空座町の虚退治が面倒だったんで。」
喜助が扇子で口元を隠しながら言う。


「なんだと!?俺を便利屋みたいに。」
「おやぁ?違うんですか?」
「本当にそう思ってたのか!!」
「うるせぇぞ、一護。ん?咲夜じゃねえか。」
部屋の中から一心が顔を出した。
その顔をみて、咲夜はあることを思い出す。
私の、酒・・・。


『一心。・・・覚悟しろ!!』
そういうと咲夜は突然一心を殴る。
「痛い!!」
一心は体ごと飛ばされた。
「ちょっと!?なんで俺は殴られたんだ!?」
「日頃の行いだろ。」
一護はしれっと言う。
「なんだと!?」


『・・・私の酒を呑みやがって。』
「え?酒?」
『覚えていないのか?十番隊の隊主室の棚の奥に酒が隠してあっただろう。』
「え?・・・あぁ!!あった!青い瓶のやつか?」
『あれは、私が苦労して手に入れた酒だったんだぞ!!まったく、私の酒を返せ!!』


「そんな無茶な。だって誰に聞いても自分のじゃないって言うから呑んでもいいかなぁ、なんて。あれは本当にうまい酒だった・・・。」
そう言ってへらりと笑う一心。
『ほう。そうか。今度は蹴りを入れてやる!!』
「ぎゃー!!」
そうして一心の叫び声が周囲に響いたのだった。
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