蒼の瞳、紅の瞳
■ 10.橙色の決断

咲夜と喜助が白哉たちのもとに降りるとルキアが恋次に介抱されているようだった。
『どうしたんだい?』
「咲夜さん。気を失っているみたいです。」
恋次の言葉に咲夜はルキアの胸に手を当てる。
『ふむ。そのようだね。それに・・・ルキアの中に誰かいる。たぶんルキアと戦っていた子だ。』


「え?大丈夫なんすか、それ?」
『うーん・・・。悪い感じはしない。操られている風でもない。こういうものは無理に引きはがす方が危険だ。恋次、ルキアを見ていてくれ。私は白哉たちを治療してくる。』
「はい。」


『ほら白哉、手を出しなさい。まったく、羽織まで破けているじゃないか。』
咲夜の言葉に白哉は血が流れたままの手を差し出した。
『うわぁ、何をしたらこうなるんだい?傷だらけじゃないか。』


咲夜はそう言って治療を始める。
喜助は一角の治療をしているようだ。
「・・・千本桜を掴んだ。」
『え。なにそれ。自傷行為?』
「そんなわけなかろう。」


『まったく、君は昔から怪我が絶えないよねぇ。というか、自分の体が傷つくことに躊躇いがなさすぎる。』
「戦いとはそういうものだろう。」
『まぁね。でも君は厳しすぎる気がするよ。自分の体をもう少し大事にすることだ。』
「おろそかにしているつもりはない。」


『じゃあ聞くが、最後に非番をとったのはいつだ?この間、私と寝過ごして半日非番になったのは除いて、だぞ。』
「・・・。」
咲夜の言葉が図星だったのか白哉は黙る。
『ちゃんと休めよ。よし。終わった。』


治療が終わってまだ解かれていない空間を見上げていると、突然その空間がひび割れた。
中から卍解した一護と銀城が現れる。
「・・・だから俺は、みんなを守って、てめぇと戦うんだよ!!」
そして聞こえてきたのは黒崎一護の決断。
『ふふふ。あの子は強いね。』


「・・・あいつが次の死神代行で良かった。」
冬獅郎がそういうと、隊長たちは尸魂界に帰還した。
咲夜はルキアと恋次とともに現世に残り、黒崎一護の戦いを見届ける。
銀城の斬魄刀が折れた。
『終わったな。』


そう思ったのも束の間、月島が現れて、一護に刃を向ける。
するとルキアの体から、リルカが現れ身を挺して彼を止めた。
へぇ、不思議な能力だな。
『ルキア、なんともないか?』
「は、はい。これは一体・・・?」


『たぶん彼女は「モノ」に「何か」を入れたり出したりする能力を持っているのだろう。それで、ルキアの中に入って様子を見ていたのではないかな。始めからあまり戦うことに乗り気ではなかったようだし。』
「・・・銀城を救ったのは一護なのよ!!」
リルカの言葉に月島は崩れ落ちたのだった。
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