蒼の瞳、紅の瞳
■ 9.与えられた力

『やぁ、皆さんお揃いで。私たちが最後か。』
「咲夜姉さま。これが例の刀です。様子を見て頂けますか?」
そう言ってルキアに刀を差しだされる。
咲夜はそれに触れた。


『へぇ。刃の無い刀か。喜助も考えるなぁ。・・・うん。問題ないよ。霊圧もうまく溶け合っているようだ。』
「そうですか。」
『うん。でも一応戦闘区域を取り囲むように結界を張っておこう。その中を私が浄化していれば暴走することもないだろう。』


「では、行きましょう。もう戦闘が開始しているようです。」
「開錠。」
ルキアの言葉に恋次が穿界門を開いた。
『さて、私は姿を消しておくよ。結界を張るから先に行くぞ。敵に見つかったら面倒だし。応援が必要なようなら私も戦闘に参加するけどね。』


一足先に現世に出た咲夜が結界を張り終えると、ちょうどルキアが出てきた。
あれ、喜助と一心も居るじゃないか。
ルキアは現世に出ると、早速一護のもとへ向かい、その刃を突き刺した。
黒崎一護ったら、あんなに取り乱しちゃって。
まだまだ若いね。
己の無力が彼にとって一番辛いことなのはわかるけどね。


あ。
ルキアが殴ってる。
まぁ、あんなに情けない姿を見せられたらそうなるよね。
しかしさすがにすごい霊圧だ。
全隊長格の霊圧とその他大勢の隊士たちの霊圧が込められているんだものな。
あれほどの霊圧を受け入れられる黒崎一護の魂魄にも驚くがね。


さて、無事にすべての霊圧は彼に渡されたことだし、私の仕事はもう終わりだ。
何をしようかな。
白哉たちも出てきて何か戦いが始まっているけれど、彼らがあの程度の奴らに負けるわけがないし。
剣八なんかもう出てきたし。


あ、虚だ。
退治してこよう。
しかし、その虚は結界に触れると消えてしまった。
ん?
あぁ、そうか。
浄化の結界を張っているから普通の虚は触れるだけで消えてしまうのか。
これじゃあ、暇じゃないか。
つまらん。


あら?
爆発した。
あれは・・・恋次だな。
彼奴は丈夫だから生きてるだろう。
霊圧も消えていないし。


咲夜が観戦していると、喜助が現れた。
「咲夜サンじゃないッスか。」
『喜助か。』
「参加しないんで?」
『私が参加するまでもない。一心はどうした?』
「井上サンと茶渡サンの様子を見てもらっています。」


『あれ、空間が解かれたな。一角も出てきたじゃないか。冬獅郎か。うわぁ、あの子寒そう。ほとんど凍っているじゃない。』
氷づけにされた雪緒を見た咲夜が呟く。
「さすが、日番谷サンッスねぇ。さて、あとは黒崎サンだけッスね。朽木隊長たちも出てきたようだ。」


『あれ、白哉が怪我してる。ルキアは気を失っているのか?行くぞ、喜助。』
「はいな。」
喜助を連れて、彼らのもとへ向かった。
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