蒼の瞳、紅の瞳
■ 2.気長に待つ

先ほどの兄様と咲夜姉さまの話を聞く限り、お二人は一緒の布団でお休みになったらしい。
姉さまは兄様の布団でお休みになって居たしな。
兄様は確か部屋を用意させていたはずだが・・・。


まぁ、よいか。
あまり深くはつっこむまい。
それにしても咲夜姉さまは本当に兄様に対して警戒心がないのだな。
三人で朝餉を摂っている間、ルキアはそう考える。
白哉の気持ちを知ったルキアにとって、それは少し複雑だった。


それよりも、この二人は何故ともに寝ることに抵抗がないのだろうか。
昔はそうしていたのかもしれないが、兄様も一度は結婚をした身である。
それがどういう意味か解っておられないわけではあるまい。


ましてや二人とも貴族の生まれなのだ。
下手すればそのまま責任をとって結婚ということもあるだろうに。
そのために朽木家に姫を送り込んでくる貴族もあるくらいだ。


いや、兄様はそれを狙って、解ってやっているのか?
・・・咲夜姉さまはきっと解っておられないのだろうなぁ。
そんなことを考えていると、二人の視線がこちらに向いていることに気が付く。


「どうかなさいましたか?」
『いや、それはこちらの台詞だ。箸が止まっているぞ?』
「え?あぁ、いえ。何でもありませぬ。ただ、お二人は仲が良いなぁと考えておりました。」


『それはそうだろう。白哉が生まれたときから知っているんだぞ?白哉のことならたいていのことは知っているつもりだ。』
「ほう?そうなのか?」
白哉兄様はそんな咲夜姉さまの言葉に反応する。
『そうだとも。』
そう胸を張ってこたえる咲夜姉さま。


「・・・はぁ。」
その答えに兄様は深いため息をついた。
「兄様、心中お察しいたします。・・・気長にいった方がよろしいようです。」
「・・・そのようだな。」


『ん?何の話だ?』
「気にするな。私はもう出かける。お前たちも遅れるなよ。」
「はい。いってらっしゃいませ。」
『いってらっしゃい!』
そう言って見送る咲夜姉さまを見て、兄様は口元に微かな笑みを浮かべているようだった。
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