蒼の瞳、紅の瞳
■ 35.受け入れられる


「おや?漣じゃないか。何をしているんだ?」
そこへ、浮竹が現れた。
咲夜が頭を下げている様子を見て、きょとんとしている。


「隊長!」
突然現れた隊長に隊士たちは次々に挨拶をする。
『浮竹か。今、みんなにお詫びをしているところだ。騙した形になってすまなかったと。』


「そうか。それで?お前たちはどうする?漣を受け入れるか?それとも受け入れないか?」
浮竹の問いに、隊士たちは静かになる。


「・・・受け入れるに決まっているじゃありませんか。私たちにこのように丁寧に頭を下げてくれる人ですよ。それに隊長が受け入れている人です。私たちが隊長の大切な人を受け入れないはずはありません。」
その言葉に、周りの隊士たちも同意する。


「そうか。」
その様子を見た浮竹は満足そうにうなずいた。
『浮竹、ありがとう。』
「このくらいなんでもないさ。お前は俺の友人だからな。それに礼なら隊士たちにいってくれ。」
礼を言った咲夜に浮竹は照れ臭そうにそう言った。


『ふふふ。そうだな。みんな、ありがとう。』
そういって笑った咲夜に隊士たちも笑顔を向けた。
「「漣先生!!お久しぶりです。」」
隊士たちの中には私の教え子たちもいたらしい。
『久しいな。皆よくやっているようだな。私は嬉しいぞ。これからは同じ死神としてよろしくな。』
「「はい!!」」


咲夜と浮竹は隊士たちに挨拶を済ませると、雨乾堂に向かった。
『・・・十三番隊はいい隊だな。』
咲夜は雨乾堂に入るなりそう言った。
「そうだろう。俺の自慢の隊だ。俺の持病のせいで迷惑をかけてしまうこともあるが、皆よくやってくれている。」


『そのようだな。・・・浮竹、いや浮竹隊長、本日付で漣咲夜として死神に戻ることになりました。よろしくお願いいたします。』
居住まいを正して咲夜はそう言った。


「おいおい、そんな堅苦しい挨拶はやめてくれよ。それに浮竹隊長だ何て呼ぶな。いつも通りでいい。俺は最初からお前が漣咲夜として死神に戻ることになったら、自分の隊に受け入れられるようにするつもりだったんだ。もし、四十六室の許可が下りなくても俺はそうする気だった。」


大きくて、温かい人。
いつも朗らかに、穏やかに笑う人。
どんなに辛いときでも、笑うことを忘れない人。
強くて、優しい、私の友人。


『浮竹、ありがとう。本当にいつも君には助けられてばかりだな。霊術院時代にも私は浮竹に助けられた。そして、今回も。君は私の大切な友人だ。これからもよろしくな。』
「助けるのは当たり前だ。お前は俺の大切な友人なのだから。」
そういって、二人は目を合わせて笑いあった。
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