蒼の瞳、紅の瞳
■ 33.彼女の友人


十二番隊を後にした咲夜は十三番隊へと向かう。
『ここで最後だな。今日は浮竹元気かな?』
そんなことを呟きながら歩いていると、向こう側からルキアと亜麻色の髪をもつ少女が駈けてきた。


『ルキア?そんなに急いでどうしたんだい?』
「咲夜殿!!もうお体はよろしいのですか?」
『あぁ。この間はありがとう。世話になった。』
咲夜はそう言ってルキアに頭を下げる。


「咲夜殿!?頭をあげてください。私は礼を言われるようなことは何もしておりませぬ。」
そんな咲夜を見て焦ったルキアはそう言った。
その言葉を聞いて咲夜は思い切りルキアに抱き着いた。
「咲夜殿!?く、苦しいです。」


『あはは。ごめん。嬉しくなっちゃって。それで、そっちの子は何者なのかな?見たところ死神ではないようだけれど。』
ルキアを抱きしめる手を緩めながら咲夜は言った。
「えっと、初めまして!あたしは井上織姫です!」


「井上は現世の者なのですが、私が処刑されそうになったときに助けに来てくれた一人なのです。私の友人です。」
『そうか。ということは黒崎一護の仲間だね。私は十三番隊の漣咲夜だ。ルキアの義理の従姉になる。よろしく。』
「こちらこそよろしくお願いします!」


そう元気に答えた織姫と彼女を友人といって紹介してくれたルキアを見て、咲夜は安心したのだった。
ルキアは友人をつくるのが下手だし、朽木家の名が彼女を周りから遠ざけてしまった。
よかった。
友人が出来たのか。
たとえ友人が現世の人間であったとしても。
この先、時が二人を分かつことになるだろうことが解っていても。
だが、それでも。


『ルキア、よい友人を持ったようだな。私は嬉しいぞ。』
「はい!それでは私たちはこれで。これから流魂街の甘味屋に行くのです!」
ルキアがそういうと、二人は一礼してまた駈けて行った。



二人を見送ってから、咲夜は十三番隊舎へと足を進めた。
なんだか今日は疲れた。
いろんな人に会ったし。


あぁ、白哉の点てた抹茶が飲みたい。
七味煎餅を持っていけば点ててくれるだろうか。
よし。浮竹に挨拶したら七味煎餅を買っていこう。
ついでに自分の分の和菓子も。
『ふふふ。ルキアにも何か買ってあげよう。』
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