蒼の瞳、紅の瞳
■ 30.木のつく人


さて、次は十一番隊かな。
この前は誰も来なかったけど、どうしたんだろう?
今の隊長って誰だっけ?
あれ?前に絡まれたときにイヅルが名前を言っていたような・・・。


『なんだっけ?木?木がついてたかも。き、木村。違うな、なんだっけ・・・。』
ぶつぶつ言いながら歩いていると、突然桃色の髪が視界に入ってきた。
「あれぇ、咲ちゃんだ。」


『うん?やちる!!久しぶりだなぁ。』
そう言って咲夜はやちるを抱きしめた。
「咲ちゃん、いつ帰ってきたの?」
『少し前からここに居たんだけど、今日から正式に死神に戻ることになったんだ。よろしくね。』


「ほんと?やったぁ。じゃあ、剣ちゃんのところに行こう。咲ちゃんとまた戦いたいって言ってたよ。」
やちるはそう言って咲夜の袖をぐいぐいと引っ張った。
あれ?剣八って・・・更木剣八?
木?
もしや・・・。


『ねぇ、やちる。剣八って隊長なの?』
「うん。知らなかったのー?咲ちゃん。」
『あはは。いやぁ、暫くここに居なかったからさ。』
「そっか。ほら、早く剣ちゃんのところ行くよー。」
『うん。そうだね。』


咲夜はやちるに連れられて、十一番隊の修練場に来ていた。
中からは何やら怒号が聞こえる。
「オラオラァ、もう居ねえのか?テメェらそれでも十一番隊かぁ?」
やちるはそれを気にせずに修練場の扉を開けた。


「うるさいよ、つるりん。」
「あぁ?・・・副隊長。それに、あんた漣さんか?」
『やぁ、一角。久しぶりだね。』
「何してんだ?死んだはずじゃ・・・。」


『いやぁ、いろいろあったんだ。で、それが片付いたから、本日付で死神に戻った。』
そういってヘラっと笑う咲夜をみて、一角はニヤリと口角をあげた。
「へぇ。ま、そんなことはどうでもいい。生きてんならもう一度手合わせを頼むぜ。」
『ふふふ。受けて立とう。だが、木刀のみでな。修練場が吹き飛んでしまう。』


「いいぜ。ほらよ。」
一角が木刀を投げてきた。
『私は一応病み上がりだから、お手柔らかに頼むぞ。』
「いくぜ。」
『こい。』
その言葉と同時に一角と咲夜の手合わせが始まった。
[ prev / next ]
top
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -