蒼の瞳、紅の瞳
■ 23.食堂にて


食堂でイヅルとご飯を食べていると、恋次と桃がやってきた。
「よう、吉良。ここいいか?」
「吉良君。食堂で見るの久しぶりだね。私もここいい?」
「そうだね。どうぞ。」
「って、先生じゃないすか。もう平気なんすか?」


『あぁ。さっき退院してきたんだ。二人とも、この間はありがとう。助かったよ。』
「そんな、お礼なんていりません。私たちが先生の力になりたかったんです。」
「そうっすよ。それよりも俺は、あの舞の方に驚きました。朽木隊長があんな恰好をして舞っているなんて・・・。」
「そうそう。すっごく綺麗だったよね。」
「そうだね。僕も驚いたよ。」


『あはは。実はあれ、舞じゃないんだ。ただの組手なんだけど・・・私と白哉でやると、どうも舞に見えるらしいね。』
「えぇ!そうだったんですか?僕には舞にしか見えませんでした。」
「私も。」
「それにしても、よく朽木隊長にあんな恰好をさせましたね。いつもなら千本桜の餌食になりますよ・・・。」
何かを思い出したのか、恋次の顔が真っ青になる。


『ふふふ。白哉は私に逆らえないのさ。』
「咲夜さん。悪い顔になっていますよ。」
咲夜の顔を見てイヅルがそう言った。
『そうかい?ふふふ。だってさぁ・・・。』


「何の話をしている。」
不意に白哉が現れた。
イヅル達の顔がこわばる。
『あれ、白哉。君が食堂なんて珍しいな。いつもお昼は朽木家特製弁当だろうに。』
「恋次を呼びに来ただけだ。・・・恋次。午後から任務が入った。これから出るぞ。」


「まじすか。すぐ行きます。」
恋次はそう言ってご飯をかきこんでいる。
「余計なことは話すなよ。」
それを横目で見つつ、白哉は咲夜にそう言った。
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