蒼の瞳、紅の瞳
■ 13.あの日の真実


『森羅が、穢れている?森羅を鎮める?何故だ?』
巫女の持ち物が穢れているはずがない。
咲夜は内心でそう思う。


「剣の巫女は命が尽きると森羅に刻まれる。つまり、歴代の剣の巫女の力が蓄積されていくのだ。森羅は無限に強くなる。だが、それを扱う我らの方には限界があったのだ。お前は、なぜ隊長が死んだのかと俺に問うたな。彼を殺したのは・・・森羅だ。」


『え・・・?』
咲夜は信じられなかった。
「信じられないという顔だな。」
当たり前だ。
私の斬魄刀である森羅が、隊長に刃を向けるはずがない。


「あの日、森羅は暴走した。確かに、お前の器は大きくて強いが、それをもってしても森羅を制御することが出来なくなっていたのだ。それほど、森羅の力が巨大なものになっていた。」
鏡夜は静かに言う。


『う、そだ。森羅が隊長を殺すはずがない。そんなの信じられない・・・。』
「では、森羅に聞いてみるといい。」
その言葉を聞いて咲夜ははっとした。


森羅に聞く?
そうだ。
何故私はそんな簡単なことに気が付かなかったのだろう?
あの日、あの場所には森羅も居たのに。


『そんなこと考えたこともなかった・・・。』
咲夜は呟いた。
「森羅はお前にあの日のことを隠したのだな。真実を知られることの無いように。お前は森羅に操られているのだ。」


『し、んら。森羅!出て来い!!』
咲夜は森羅をよびだした。
「なんですか?主。」
音もなく森羅が具象化した。


『あの日、何があった!私にすべて話せ。』
その言葉を聞いて森羅は笑い出した。
「あはは。あぁ、おかしい。どうしたのですか、主。そんなに取り乱して。」


違う。
いつもの森羅じゃない。
森羅はこんなに狂った目をしていない。
これは、なんだ?


『森羅。話せ。あの日、何があった?宗野隊長は、何故、死ななければならなかった?』
「ふふふ。宗野春雪は私が殺しました。」
その言葉を聞いて目の前が真っ暗になった。
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