蒼の瞳、紅の瞳
■ 28.親子は似る

「まぁ、茶羅に限らず、青藍も橙晴も将来相当モテるだろうからな。きっと大変だぞ。」
『そうだねぇ。白哉に似てみんな綺麗だもんね。』
「咲夜さんにも似てますよ!?・・・未だに無自覚なんですねぇ。」
蓮が驚いたように言った。


「・・・困ったものだ。」
白哉はため息を漏らしつつ言った。
「まぁ、これはもう治らないと考えた方がいいな。数百年かけても変わらなかった・・・。」
浮竹は諦めたように言う。


『何の話だ?』
三人の様子に咲夜は首を傾げた。
「母上はお綺麗ですよ。心配する父上の気持ちがよく解ります。」
さらりとそう言った青藍に大人たちはまたもや目を丸くする。


『ありがとう、青藍。』
「本当のことを言っただけですよ、母上。」
咲夜に礼を言われた青藍は、自分が何を言ったのかあまり自覚がないようだ。
「・・・白哉、意外なところに強敵がいるな。」
「・・・青藍にとて咲夜は渡さぬ。」


『というか、この子は将来女泣かせになる気がしてきたぞ・・・。ちょっとときめいてしまったじゃないか。』
「あはは。朽木隊長も大変ですね。」
「咲夜は私のものだ。」


『ふふ。本当に青藍は白哉に似ている。いや、蒼純様に似ているのかも。』
「お爺様に?」
青藍は首を傾げた。
「確かにそうだな。蒼純様も罪作りな男だった・・・。」
浮竹は遠い目をする。


『あはは。そうだったね。蒼純様はいつも女性たちの注目の的だった。朽木家の人間でありながらいつも穏やかで柔和だったから。そのうえ、誰にでも優しいと来た。』
「はは。そうそう。体は弱かったが、人気は相当高かったな。」
『うん。私も蒼純様が大好きだった。』


「・・・咲夜。」
瞳を輝かせてそう言った咲夜を白哉が拗ねたように睨む。
『なんだ?蒼純様に嫉妬か?それとも青藍か?』
咲夜はからかうように白哉を覗き込んだ。


「・・・どっちもだ。」
『可愛いなぁ。』
そんな様子の白哉に咲夜は嬉しそうに微笑む。
「そんなに心配しなくても僕が母上を取ったりしませんよ。だって、母上は父上が大好きなんですから。父上をどうにかできたとしても、母上をどうにかすることは出来ません。」
拗ねた様子の父を見かねたのか、青藍が言った。


「・・・生意気なことを。この私がそう簡単にどうにかされるわけがなかろう。」
白哉が青藍を流し見ながら言った。
「そうですか?では僕に取られないようにしっかりと母上を捕まえておいてくださいね?でなければ僕が母上を攫います。」
青藍は白哉に挑むように言った。
「いいだろう。一生かかってもそれは叶わぬがな。」
白哉も負けじと煽るように言い返す。
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