蒼の瞳、紅の瞳
■ 24.旧知の仲


『ふぅ。ご馳走様でした。』
「お粗末さまでした。」
ご飯を食べ終えて、一息ついていると、
「イヅル、ただいまー。誰かいるのかい?」
珍しく、隊長が帰ってきた。


「って、あれ?君はサクかい?」
『ローズさん。久しぶりですね。』
「そうだね。元気かい?」
『はい。ローズさんも相変わらずのようで。』
隊長の持っているバイオリンを見て咲夜さんが答える。


「・・・そうか。お二人はお知り合いでしたね。ともに護廷隊に居たのですから。」
『うん。』
「まぁ、それだけじゃないけどね。彼女が居なければ僕たち仮面の軍勢は今ここには居られなかったし。」
「どういうことですか?」


「彼女は、浦原喜助の協力者でね。彼の研究を手伝って材料を提供してくれていたんだ。それから不安定だった僕らの霊圧を安定させてくれたりもしてね。僕らはそれがなかったら虚に飲み込まれていただろう。彼女が突然現れたときは驚いたけれどね。」
苦笑する隊長に、咲夜さんは笑う。


『あはは。私だって、皆さんが居なくなったと聞いて驚いたんですよ。隊長、副隊長に鬼道長と副鬼道長も居なくなったって言うんだから。しかも喜助は罪人扱いになっているし。』


「自分だって追われる身だったのに僕たちを探してくれるんだからお人よしというかなんというか。」
『貴方たちの斬魄刀が騒がしかったんですよ。放っておけないでしょう。私は剣の巫女なのだから。』


「そんなことがあったのですか。さすが咲夜さんというか。」
『ふふ。・・・さて、私はそろそろ行くよ。私は今、十三番隊の平隊員、立花翠蓮だからね。一応隊舎に顔を出さなければ。浮竹の世話係になっているから仕事はないに等しいのだけれど。』


「それは羨ましいなぁ。イヅルは僕に厳しくて。」
「隊長が仕事をしないからです。」
『ローズさん、楽器はほどほどにしてくださいね。イヅルに迷惑をかけたら許しませんよ?そしたら千鉄さん呼んじゃいますからね?』
「うわぁ、それはいやだな。あの人怖いんだから。」
隊長が青ざめている。


『じゃ、また明日。』
そう言って咲夜さんはひらりと手を振って去って行った。
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