蒼の瞳、紅の瞳
■ 7.べた惚れ

「ま、今日の私服が見られただけでもいいんだけどね。咲ちゃん、死覇装を着ていることが多いから。なんでも似合うからいいよねぇ。いろんなもの着せてみたくなっちゃうよ。」
『今日の装いはすべて白哉が選んだのだ。何やらぶつぶつ言いながら選んでいたらしいぞ。』


「なるほどな。だから、いつもよりきちんと着つけられているわけだ。白哉は本当に苦労しているよな。」
『どういうことだ?』
咲夜は首を傾げる。


「知らないの?咲ちゃん。男が女に着物を贈るのはそれを脱がせたいからなんだよ。そして、おそらく咲ちゃんを脱がせることが出来るのは朽木隊長だけだ。君はその辺の男なんかじゃ歯が立たないからね。もちろん僕らにだってそれは出来ない。僕らが束になって押えたって咲ちゃんには勝てないからね。」


『それと今日の服を白哉が選んだことにどんな繋がりがあるんだ?』
「頭からつま先まで白哉が選んでお前に贈ったものなんだろう?」
「それによく見てみなよ。着物の色は朽木隊長の隊長羽織の羽裏色で柄は桜だし、根付には朽木家の家紋が彫られている。つまり、咲ちゃんは自分のものだという主張をしているのさ。」


『ふぅん。そんなことしなくても私は白哉のものなのに。』
当たり前のように咲夜は言った。
「無自覚なのは相変わらずか・・・。」
「そうだね。」
「漣さんってこういう人だったのか・・・。」


「そうなんだよ。本当、困るよねぇ。僕らなんかいつも咲ちゃんのために動いているのに本人がこうも無自覚なんだもの。」
『最近は気にしているつもりだ。君たちや白哉が口うるさく言うから。ルキアにまで言われるんだぞ。』
「事実だから仕方ないだろう。」


「しかし、朽木隊長がそこまでやりますか。さすが漣さんですね。」
『そうなのか?』
「そうですよ。朽木隊長は漣さんにべたぼれなんですねぇ。」
「ははは。確かにそうだが、それは漣も同じなんだぞ?」


『こら、浮竹、余計なことをいうな。』
「そうそう。咲ちゃんって朽木隊長のこと大好きなんだよ。」
「あぁ、それは何となく気が付いてた。さっきからちょいちょい惚気が入ってるものな。」


「全く、子どもが生まれてもそうなんだから。六番隊の隊士たちはもう慣れたみたいだけれどね。」
『・・・いいじゃないか。別に。』
咲夜は拗ねたように言った。
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