蒼の瞳、紅の瞳
■ 6.噂の真相

『そう拗ねるなよ。京楽はともかく、皆学生時代に恋をしていたんだな・・・。』
咲夜はしみじみと言った。
「京楽はともかくって、ひどくないかい、咲ちゃん。」
『事実だろう。いつも女の子を追いかけまわしていたじゃないか。今だって、新人を見つけるとすぐに手を出そうとする。』


「そんなことないって。」
『七緒に怒られているものな。』
「ははは。そうだな。苦情が俺の所にも来る。」
『そのうち彼女にも愛想を尽かされるぞ。』
「やだなぁ。七緒ちゃんとはそんな関係じゃあないよ。」


『そんな関係でなくても彼女が君を見捨てたら、君は一人で老後を送ることになるぞ。』
「え、そこは咲ちゃんが面倒を見てくれるんじゃないの?」
『嫌だぞ。それに、白哉がそれを許すと思うか?「捨て置け。」とでも切り捨てられると思うぞ。』
「・・・そんなぁ。」


「ははは。白哉ならいいそうだな。」
「ちょっと浮竹、君だって条件は同じだろう。」
『浮竹は私が面倒を見るから大丈夫だ。』
「そうか。それは助かるな。」


「ちょっと!?何それ!?ひどすぎない?なんで浮竹はよくて僕は駄目なのさ!?」
『「白哉からの信頼の差だろう。」』
「「「ぶはは!!!京楽、残念だったな。」」」
「ちょっと、皆酷いよ・・・。」
京楽はそう言って項垂れた。


「それで、浮竹。君は漣さんと付き合っていたんじゃないのか?」
「付き合ってなんかいないさ。何度も言っただろう。」
浮竹はうんざりしたように言った。
『あはは。そうだね。付き合ってないよ。』


「じゃあ、京楽と付き合っていたのか?」
『それもないね。』
「でもよく浮竹と二人で居る姿をみたよな?」
「漣は俺と京楽以外に友人が居なかったからなぁ。そして京楽は一人でふらりとどこかへ行ってしまうことが多かった。だから自然と二人で居ることが多くなっただけだ。」


『浮竹は私の監視を命じられていたのだ。』
「お前がすぐに逃げ出そうとするからだろう。」
『あはは。そうだったね。』
「でも、漣さんだぞ?この綺麗な漣さんと二人きりで浮竹は何も感じなかったのか?」
そう言われて浮竹は咲夜の顔をまじまじと見つめた。


「綺麗だとは思うがなぁ。漣は漣だからな。何と言うか・・・なかなか懐いてくれない妹のような。」
『まぁ、そうだな。私も浮竹たちを兄のように感じていた。兄弟子でもあったし。』
「僕とのお見合い話も咲ちゃんが潰したしね。」


『あれは、あまりにも無理やりすぎたからだ。同期だからという理由だけでお見合いなんてやってられるか。』
「まぁ、僕は別に良かったけどね。夫婦になるかどうかはともかく、着飾った咲ちゃんを見たかった・・・。」
『それは残念だったな。』
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