蒼の瞳、紅の瞳
■ 34.顔の広い睦月

「咲夜さん、今日のお昼はどうするんだ?一応弁当は預かってきたんだが。」
浮竹と話していると、睦月が雨乾堂にやってきた。
今日は私を浮竹に預けて、四番隊に行っていたのだ。
『そんな時間か。今日はここで食べる。白哉は任務だそうだ。ルキアも呼ぼう。この重箱からして、量が多そうだし。』


「じゃあ、ルキアを呼んでくる。」
ん?
ルキア?
何時の間に睦月は私の可愛い妹を呼び捨てにしているのだ?
『君、ルキアと仲良くなったのか?』


「あ?まぁ、そうだな。お前が此処で眠っている時なんかに話すようになった。俺の素を見せても特に変わりなく接してくれているしな。」
「そうそう。最近朽木が嬉しそうだぞ。甘味処に一緒に行く仲間が増えたと。」
『そうか。それは良かったな。』
「あぁ。じゃあ、呼んでくるな。」


『というか、君、最近死神のみんなと仲良しすぎないか?』
ルキアを含めて、四人で昼食をとっている。
「そうか?」
「確かに、最近副隊長の間でも睦月の話題がよくでるような・・・。」
『そうなのか?』


「あぁ、どうせ乱菊あたりだろう?彼奴は酒飲み仲間だ。」
「京楽もだろう?あいつもよく睦月と呑むと言っていた。」
『そう言えば、君、恐ろしく酒に強かったよな。酒好きだし。』
「まぁ、それは、ちょっと、薬を飲んでいるからな。」
『薬?』


「あぁ。アルコールの分解をしてくれる薬だ。それを呑んでいるからどれだけ呑んでも二日酔いにはならないし、肝臓に負担もかからない。京楽さんと呑むときは奢ってもらえるからな。美味い酒はたくさん呑まないと損だろう?」
睦月はそう言ってニヤリと笑う。
『君、流石だな。』


「それから、日番谷隊長に檜佐木副隊長や吉良副隊長、恋次とも仲が良いであろう。」
「あぁ、あの辺は苦労人仲間だ。」
「ははは。確かにそうだ。」
『なんだそれは。』


「咲夜さんって無自覚ですよね。っていう話だろ。彼らは霊術院の頃から知っているからな。日番谷なんか、よく昼寝に来ていた。」
『あぁ、そういえばそうだったな。』
「ルキアとはほとんど面識がなかったが。」


「私が霊術院に居たのは短い間だったからな。しかし、そんな性格だとは思わなかったぞ。」
「俺だって、お前がそんな性格だとは思わなかった。もっと人見知りする奴だと思っていた。」


『あはは。昔はそうだったよね。』
「そうだな。朽木は本当に友人を作るのが下手だった。」
「・・・浮竹隊長まで。」
拗ねたように言ったルキアに皆が笑う。
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