蒼の瞳、紅の瞳
■ 40.選択肢

「漣!!」
漸く文書が届いたらしい。
浮竹と京楽が咲夜たちの元へやってきた。
『浮竹、京楽。遅いぞ。』


「そう言われてもなぁ。そこは俺たちでもどうもできん。」
「こっちは、片付いたみたいだね。」
『まぁね。それで、二宮家の処分は?』
「見るといい。」


そう言って差し出された文書に咲夜は目を通した。
ふむ。
まぁ、妥当だな。
『二宮玲奈。』
「・・・はい。」


『これから二宮家の処分を伝える。』
「はい。」
『二宮家は財産剥奪の上、瀞霊廷を追放。取り潰しとなる。』
「・・・はい。」
その言葉に玲奈はうなだれた。


『さて、君には選択肢をあげよう。思っていたより、面白い子だ。気に入った。』
「え?」
『一、このまま死神を続ける。二、家族とともに瀞霊廷を去る。どちらがいい?』
「え?だって、私は、二宮家は・・・取り潰しになるのでしょう?」


『そうだな。だが、君が死神を続けたいというのなら、私が手を貸してやろう。』
「でも、私は・・・。貴女を、貴方たちを。」
『ふふふ。そんなもの、もう忘れた。で?どうするんだ?君は死神を続けたいか?』
「・・・続けたい、です。」
玲奈はポロリと涙を流した。


『だ、そうだが、君たちはどう思う?』
咲夜は白哉、浮竹、京楽に問う。
「咲ちゃんが決めていいよ。」
「俺もそう思う。」


『白哉は?』
「・・・好きにしろ。」
白哉ったら不機嫌だなぁ。
咲夜は内心苦笑する。


『ということだ。そんなわけで、君、ここに名前を書いてくれ。』
咲夜はどこからか、書類と筆を取り出した。
「え・・・?」
その書類には養子縁組と書かれている。


そして、養親の欄には漣天音の名が。
その他の記入事項も問題なく埋まっており、あとは養子の欄に直筆の署名を入れるだけであった。
玲奈はそれを見て目を丸くする。
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