蒼の瞳、紅の瞳
■ 36.直接対決

『白哉。手は出すなよ。隊士たちを避難させてくれ。あと、周りに結界を張っておいて。』
「あぁ。」
咲夜はそういうと、遅れて降りてきた玲奈に向き直る。


『さて、勝負と行こうじゃないか。』
「えぇ。負けないわ。」
『面白いね。何か賭けるかい?』
「そうね。」


『・・・白哉でどうだ?勝った方が妻になる。』
「望むところよ。」
「・・・なんだそれは。」
二人の様子に白哉は呟いた。
その呟きは誰にも届かなかったが。


『さぁ、どこからでもきなよ。君から斬りかかってきていいぞ。』
「そう。余裕なのね。斬魄刀も持っていないのに。」
『ふふふ。斬魄刀など君との戦いに必要ないからね。』
「どこまでも腹立たしい女。」


『そうかい?それは褒め言葉だな。さぁ、きなよ。』
咲夜の挑発に乗って、玲奈は斬りかかった。
だが、難なく咲夜に避けられる。
『そんなものかい?』
「まだまだ!!」
またもやひらりと避けられる。


『それでは私に勝てないぞ。破道の四、白雷。』
咲夜の放った鬼道を玲奈は辛うじて避ける。
「破道の三十一、赤火砲!」
『破道の三十一、赤火砲。』
玲奈の放った鬼道も難なく相殺させる。


さて、どうするか。
玲奈の攻撃を避けながら考える。
普通に戦ったら、私が負けるなどあり得ない。
というか、浮竹たちはまだか?
早く文書を持ってきてくれないと、私はこの子と戦い続けなければならないんだが。


それより、私は剣の巫女の能力が戻っているんだ。
もし、斬りつけられたら、色々とまずい気がしないか?
まずいよな?
斬魄刀じゃすり抜けちゃうもの。
斬魄刀に斬れと命じれば私を斬ることもできるが・・・。


・・・そうだ!!
喜助から貰った手甲を使えばいいのか。
持ち歩いては居たけれど、使う機会がなかったんだよな。
咲夜はそう思って、懐から手甲を取り出した。


「今さら、そんなものつけたって、何も変わらないわ!」
咲夜の様子をみて、玲奈がそう言い放つ。
『どうかな。これは喜助特製のものだからさ。』
そう言って、咲夜は腕で玲奈の斬魄刀を受け止めた。


「な!?」
『いや、本当だ。並みのものでは斬れないと言っていたけれど、斬れる気配もないね。』
そういって、咲夜は難なく彼女の刀を受け止める。
「何なのよ、それは!!」


『うーん、貰い物?』
「ちゃんと答えなさいよ!!」
あはは。
イライラしてるなぁ。


『貰い物だよ。とある商店の店長からのね。』
「何よそれ!?」
『うわ、ちょっと、そう怒るなよ。というか、キャラ、変わってないか?』
「五月蝿いわね。普段からあんな風に喋っているわけないでしょ!?」


『あはは。そうなのか。まぁ、その辺は私も人のこと言えないけど。』
「そうよ!!なんなの、その貴族らしからぬ振る舞いは!!あなた本当に朽木隊長の奥方なの!?」
『そうだよ。ちゃんとやれば貴族らしいと思うんだけどなぁ。』
「何なのよ!!本当に腹が立つ!!」


『ふふふ。君、そっちの方が好感度高いぞ?私の中では。』
「貴女に好感を持ってもらう必要なんてないのよ!」
『それは、残念。』
咲夜はそう言ってほほ笑む。
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