蒼の瞳、紅の瞳
■ 32.証拠を掴む

咲夜が浮竹と会話をしていると、京楽が現れる。
何故だか、黒刃と白刃に手を引かれている。
「「早くー!!」」
「うわぁ、ちょっと待ってよ。おじさんなんだからもう少しゆっくり歩いて欲しいなぁ。」


『京楽?』
「やぁ。なんだか久しぶりだね。」
『そうだな。どうしたんだ?』
「やっと見つかったんだ。」


『何が?』
「何がって・・・咲ちゃんの欲しいものがさ。」
その言葉に咲夜は目を輝かせた。
『本当か!?』
「うん。」
そういうと、京楽は懐から一枚の紙を取り出した。


「あは、見たい?」
『見たい!!』
「はいどうぞ。」
そう言って渡された紙を咲夜はすぐに覗き込んだ。
そこには地図らしきものが描かれている。


『これは?』
「麻薬の原料の栽培地さ。それがどこに向かっているのか、後をつけさせたのだけれどね。そしたら、やっぱり二宮家だったよ。」
『これで、二宮家が麻薬とつながっているのが証明されたわけだ。』
「そうだね。」


『だが、まだそれをばら撒いているという証拠がない。』
咲夜はそう言って考え込んでいる。
すると、黒刃と白刃が言った。


「「千本桜が来るよー。」」
『千本桜?白哉が何か見つけたのだろうか。・・・おいで、千本桜。』
咲夜がそういうと、千本桜が現れる。

「久しいな、咲夜。」
『そうだね。どうしたんだい?』
「主が二宮家に見合いを申し込まれているのを知っているだろう?」
『あぁ。』


「主は見合いに行ったのだ。麻薬について聞き出すことは出来なかったのだが、貢物の壺の中に麻薬があったらしい。」
『それで?』


「主が人を使わして、それについて詳しく探りを入れさせたらしくてな。すると、どうやら、それは間違えて朽木家に贈られたらしい。本当は二宮家についている貴族に渡すはずだったと。それから、二宮家についている貴族の家を調べたところ、どうやらそれは本当のようだ。証拠もある。」


『・・・なるほど。つまり、二宮家は格下の貴族たちに麻薬を売らせていたわけか。』
「そうみたいだねぇ。」
「これで、証拠はそろったな。」
『あぁ。さて、ではこれは山じいに報告かな。それで、四十六室にも話を通してもらおう。』
「そうだね。」


『四十六室がこれを認めれば、堂々と二宮家を調べることができるな。ありがとう、千本桜。もう帰っていいぞ。』
「あぁ。」
千本桜はそう言って姿を消した。


『さて、浮竹、京楽、私とともに山じいのところに行ってくれるかい?』
「あぁ。」
「もちろん。」
『ありがとう。では、行こう。早々に解決して、白哉の見合い話を潰さなければな。』
咲夜はそう言って楽しそうに雨乾堂を出て行った。


「・・・浮竹。」
「なんだい?」
『咲ちゃんって、敵に回したくないねぇ。』
京楽がしみじみと呟く。
「今さら何をいっているんだ。ほら、行くぞ。」
「あはは。はいはい。」
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