蒼の瞳、紅の瞳
■ 26.軽い少年

「「咲夜―!」」
イヅルを見送っていると、黒刃と白刃がかけてきた。
『どうした?』
「「蓮が、もう追いかけてこないの。」」


『へ?』
二人の言葉に咲夜はあたりを見回した。
すると、蓮は力尽きているのか、うつぶせで倒れている。
『蓮、大丈夫か?』
咲夜は蓮の元へ行くとそう問うた。


「・・・は、い。でも、もう、動けません・・・。」
『そうか。じゃあ、休憩にしよう。イヅルが差し入れを持ってきてくれたんだ。』
「「やったー!!」」
咲夜はそういうと、蓮をひょいと抱き上げて、腰かけるのにちょうどいい岩の上に座らせた。


「うぅ。すみません。」
『気にするな。瞬歩は何回ぐらい使ったんだ?』
「八十ほどです。」
『鬼道は?』
「百、くらいですかね。」


『そうか。それは疲れただろう。しかし、君軽すぎないか?』
「そうですか?」
『あぁ。冬獅郎とそんなに変わらない。君の方が背は高いのに。』


「・・・なんで日番谷隊長の体重を知っているんですか。」
咲夜の発言に蓮は呆れたようにそう言った。
『あはは。いやぁ、だって、可愛いじゃないか。小さくて、綺麗な目で、さわり心地がいいんだぞ。』


「・・・誰がだ。」
そんな話をしていると、突然冬獅郎が現れた。
『冬獅郎!』
咲夜は現れた冬獅郎を抱きしめた。


「ちょ、やめろ!!離せ!!」
腕の中でじたばたと抵抗するが、効果はないらしい。
『可愛いなぁ。癒される・・・。』
「離せっての!!!」
漸く冬獅郎は咲夜の腕から逃れる。


『・・・可愛くない。』
「はぁ、はぁ、お前なぁ。俺は、可愛さなんか、求めてねぇ。」
不満そうな咲夜に冬獅郎は息絶え絶えにそう言った。
『それで、どうしたんだ?』


「いや、特に用はねぇけど。咲夜さんが新人指導してるって、聞いたんで。書類もってくるついでに見てみようかと。」
『この子だ。』
咲夜に言われて、冬獅郎は蓮をじっと見つめる。
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