蒼の瞳、紅の瞳
■ 19.気になること

浮竹に梅干を添えた粥を食べさせ、薬を飲ませ、寝間着を着替えさせる。
『いつも思うんだが。何故浮竹はこの病弱さで、この体形を維持できるんだろうな・・・?』
京楽とともに浮竹を着替えさせながら咲夜はポツリと呟いた。
「あはは。僕も不思議だよ。」


『体だけを見ると、とても病弱な人の体には見えないよな。』
咲夜は浮竹の体をまじまじと見つめながら言った。
「・・・あまり見るなよ。」
そんな咲夜に浮竹は居心地が悪そうにそう言った。


『いやぁ、だって不思議だよね。病弱なのにこの体だよ?ていうか、この体なのに病弱ってなんか面白い。』
「確かにねぇ。」
「面白がるなよ。俺は肺を患っているだけで他は人並みなんだぞ?」


『へぇ?』
咲夜が疑うような視線を浮竹に向ける。
「・・・なんだよ?」
『いや?その割に、浮竹は健全すぎるなと思ってな。』
「どういうことだ?」


『だって浮竹ってば浮いた話の一つもないし。・・・枯れているんだと思ってた。』
「あはは!!」
咲夜がポツリと言った言葉に、京楽は爆笑し、浮竹の顔は真っ赤になる。
「いきなり、何を言い出すんだ・・・。」
浮竹は頭を抱える。


『だって、君、結婚もしてないし。京楽はともかくとして、浮竹はすぐに結婚すると思って居たのだけれど。それなのに結婚をしない理由は何だろうなと。』
「それでどうしてそんなことになるんだ・・・。」
『他に理由が思いつかなかった。』


「だからってお前、本人に言うなよ。」
「そうだよ、咲ちゃん。浮竹が可哀そうじゃないか。浮竹だって男なんだから、欲ぐらいあるだろうよ。」
京楽が笑いながらそう言った。


「大体、浮いた話がなかったのはお前も一緒だろう。白哉と結婚するまで何もなかったじゃないか!」
『それは・・・そうだけど。そんな余裕もなかったし。浮竹は昔からそういう面を見たことがなかったなぁと思ってしまったんだもの。』
咲夜は悪びれもなくそう言った。
[ prev / next ]
top
×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -