蒼の瞳、紅の瞳
■ 11.課外授業

『それじゃあ、今日の分の仕事は終えたわけだし、課外授業と行こうじゃないか。』
「へ?そうなんですか?さっきの書類って一日分だったんですか?」
蓮が目を丸くした。
『そうだぞ?』
「そうだったんですか・・・。というか、課外授業って?」


『うん。これから薬を作るんだ。』
「薬、ですか?」
『あぁ。浮竹への差し入れさ。』
「先生が作るんですか?」
『そうだぞ。私が作った薬が一番よく効くそうだ。』


「そうなんですか。先生は何でもできるのですね。」
『そうでもないさ。それで、浮竹の様子はどうだった?』
「横になって居られました。会話をすることは出来るようでしたが、呼吸が辛そうでした。」
『そうか。じゃあいつものでいいな。白刃、材料を持ってきてくれ。黒刃は道具を。』


「「はーい!!」」
咲夜がそういうと、二人は姿を消し、もう一度姿を現すと白刃の手には薬草らしきものが、黒刃の手には何やら道具がある。
「「これでいい?」」
『あぁ。ありがとう。』


「え?なんで?どういうことですか?」
そんな白刃に蓮は驚いているようだ。
『ははは。この子たちの能力、といったところかな。では、始めよう。まずは、これだ。』


咲夜はそういうと、薬草の効力を蓮に説明しつつ、薬を作り始めた。
手順や分量を事細かに説明していく。
蓮もそれを聞き漏らすことのないよう、メモを取りながら話を聞いている。


『これで、よし。完成だ。』
「なるほど。こうすると、薬効が高くなるのですね。勉強になりました!僕、草薙先生の授業を聞いて、ずっと薬学や医学に興味があったんです。」


『そうか。興味があるなら時間があるときにもっと教えてやろう。医術の知識は持っていて損はしないからな。』
「はい!!よろしくお願いします。」
咲夜の言葉に蓮は嬉しそうに頷いた。
この子は本当に何かを学ぶことが好きらしい。


『さて、それでは、書類の配達がてら浮竹の見舞いにでも行くか。』
咲夜はそういうと、蓮と黒刃、白刃にそれぞれ書類を持たせると、自らは作ったばかりの薬をもって立ち上がった。
『とりあえず、白哉に一言断ってからにするか。』
咲夜はそう言って迷いなく隣の隊主室の扉を開けた。


『失礼するよ。白哉、私はこれから書類の配達と浮竹の見舞いに行ってくる。』
「そうか。・・・南雲蓮。」
咲夜の言葉に頷いた白哉は、蓮に声を掛けた。
「は、はい!」
突然のことに蓮の声はひっくり返っている。


「咲夜を頼む。」
「はい!」
彼の言葉に蓮は驚きつつもしっかりと返事をしたのだった。
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