蒼の瞳、紅の瞳
■ 29.興味津々な彼女たち

「それで?咲夜、朽木隊長ってどうなのよ?」
すでに相当呑んでいるのか、乱菊が赤い顔をしながら咲夜にそう言った。
『どう、とは?』
「だからぁ、朽木隊長って咲夜の前でもあんな感じなの?」
『あんな感じ?』


「普段の朽木隊長見てると、ラブラブな様子が想像できないのよねぇ。あの表情が崩れることってあるの?」
『あはは。家では、もっと柔らかい表情をしているぞ?特に最近はよく笑う。』
「「「えぇー!?」」」
咲夜の言葉に周りの死神たちは信じられないと言った声を出す。


『ふふふ。』
そんな様子に咲夜は思わず笑ってしまった。
「それで?家ではどうしているのです?」
今度は伊勢副隊長からの質問だ。


『え?普通にご飯食べたり、散歩をしたり、一緒に寝たり・・・。』
「「「一緒に寝る!?」」」
『へ?何かおかしいか?』
周りの反応に咲夜は訳が分からないといった様子だ。


「・・・一緒に寝るというのは、その、同じ布団で?」
『あぁ。』
「毎日?」
『そうだ。』
「つまり、やることやってるわけね?」


『・・・え!?』
乱菊の言葉に咲夜は赤面する。
「ちょっと失礼します。」
その言葉と共に、咲夜の袂が開かれた。
『うわぁ!?ちょっと、伊勢副隊長!?何をしているんだ!?』


咲夜は真っ赤になりながら袂を戻そうとする。
そんな彼女の胸元にはちらほらと紅い華が咲いていた。
それを見た女性陣から黄色い悲鳴が上がる。
「なぁんだ。やっぱり朽木隊長も男なのねぇ。それにしても、独占欲が強いのねぇ。こんなに痕をつけるなんて。」


『やめ、やめてくれ。』
「そのようですね。それも毎日ですか。」
『あの、いや、違うぞ?一緒に眠るのは昔からだ。』
漸く放された袂を元に戻しつつ咲夜は答えた。
「そんな赤い顔で否定しても説得力ないわよ。」


『ちがっ!・・・いや、違わなくもないが。その、それは毎日ではないぞ?』
咲夜は真っ赤になりながら小さな声でそう言った。
「でも、毎日一緒に寝てるんでしょ?」
『う、だって・・・その方が良く眠れる。私も白哉も。』
「ちょっとぉ、ナチュラルに惚気ないでよ。こっちが恥ずかしいじゃないの。」
『そ、そんなつもりは・・・。』


「・・・というか、どちらから告白されたんですか?」
と、伊勢副隊長。
『・・・白哉。』
「まぁ、そうよね。咲夜ってそういうの鈍そうだもの。」
乱菊に図星をつかれた咲夜は言葉に詰まった。
確かに、白哉に好きだと言われなければ、私は何も気づかなかっただろう。


「それで、いつから好きになったんです?」
『・・・解らない。好きだと自覚したのは白哉に好きだと言われてからだが。もっと前から好きだったと思う。』
「いいわねぇ、羨ましいわぁ。」


「京楽隊長に聞きましたけど、咲夜さんって浮竹隊長と付き合っていたという噂があったんですよね?」
『えぇ!?そんなことないぞ?私と浮竹はそんなことにならない。』
「あら、そうなの?だって、何百年も一緒に居るんでしょ?男と女なんだから何かあったんじゃないの?」
乱菊が疑いの目を向けてきて、思わず苦笑する。
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