蒼の瞳、紅の瞳
■ 24.忙しい奴

咲夜に言われたとおり、白刃は始解をした。
咲夜は白刃の手を握る。
『これでいいだろう。さぁ、斬れ。』
「はぁ。わかったよ。行くぞ。」


そう言って浮竹は斬魄刀を抜き、咲夜に軽く斬りかかった。
すると、斬魄刀はするりと咲夜の体をすり抜ける。
『本当だ。戻っているな。では、双魚理出ておいで。』
咲夜が呼び掛けると、二人の少年が現れる。
「「巫女さまだ!!」」


『おぉ、久しぶりだな。出てきてくれてありがとう。戻っていいよ。』
「「またねー!!」」
そう言って双子は消えて行った。
「お前、前より強くなっていないか?」
浮竹はなんだか呆れているようだ。


『そうかもな。さて、疑問は二つ目の疑問だ。君たちはまた漣家の巫女に受け継がれていくものなのだろうか?』
「「違うよ。」」
『どう違う?』


「僕たちは一度死んだ。」
「僕たちは生き返った。」
「僕たちは森羅と同じ。」
「でも僕たちは森羅とは違う。」
「「僕たちの主は咲夜だけ。」」


『・・・そうか。それはよかった。それが斬魄刀の本来の姿だよな。主とともに生き、主とともに死ぬ。私が死ぬまでよろしくな、黒刃に白刃。』
「「うん!!」」


『では、三つ目の疑問だ。なぜ、具象化した君たちは成長しているんだ?』
「霊力が蓄積されていくから。」
「卍解したら、また小さくなったよ。」
その言葉に咲夜と浮竹は二人をまじまじと見つめる。
『・・・本当だな。』


「では、定期的に卍解をする必要があるということか?」
「「そうだよ!じゃないと僕ら、始解のときの大きさまで成長しちゃうよ!僕たち大きくなるのは嫌だなぁ。」」
あぁ、さっき邪魔だとか動きづらいとか言っていたな。


『そうか。というか、君たち自分で卍解すればいいんじゃないか?』
「「あれ?そっか!!そうだね!!」」
『できるのか。』
「「うん!」」


『まぁでも、卍解するときは喜助たちの隠れ家とか、流魂街のはずれとか、近くに誰も居ないところに行くんだぞ?』
「「わかった!!」」
「なんというか、不思議な斬魄刀だな。」


『そうだな。これは、四十六室に隠し通さねばなるまい。この大きな力が私のものであることが知れたら、彼らは私に脅威を感じるはずだ。そして私は追われるか、よくて遠征隊に飛ばされるんだろうな。』
「・・・お前は色々と忙しい奴だな。そうならないことを祈るよ。」
『まったくだ。』
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