蒼の瞳、紅の瞳
■ 23.大きすぎる力

「生死はお前の手の中ということか。しかし、俺にはお前の霊圧が感じられないのだが。」
浮竹は不思議そうに言った。
『そうか。私は今、浮竹すら感じ取ることができない次元に居るということなんだろうな。これらを持っていると、それがよくわかる。たぶんこの刀を振ったら剣圧でこの一帯が吹き飛ぶよ。』


「そんなに大きいのか?お前ってやつは一体何者なんだ。」
『さぁね。私は朽木咲夜でしかないよ。それにこの霊圧は私だけのものではない。黒刃と白刃の霊圧も合わさっているのだろう。つまり、三人分の私が一つになって居るということだね。さて、これ以上こうして卍解をしていては、魂魄へ影響を与えてしまうだろう。霊力を持たない魂魄などは耐えられずに消えてしまうかもしれない。』


「そうなのか?」
浮竹は信じられないというような顔をしている。
『あぁ。私はたぶん、崩玉と融合した藍染や無月となった黒崎と同じようなところに居るんだろう。違う次元に居ると言った方が解りやすいか?浮竹は知っているだろう?藍染が近づいただけで消えて行った空座町の魂魄たちを。』
「それは、知っているが・・・。」


『この卍解は大きすぎて現世では使えないかもな。使うときは片方だけ使うしかないようだ。卍解で戦う時は黒刃を使った方がいいな。白刃はそれでいいか?』
「はい。私の役目は生かすことですから。ただ、戦う時は始解した私を身に着けておいてください。そうすれば咲夜の傷は治すことができます。咲夜以外の者を治療することもできますよ。たいていの傷は治せますし、解毒にも通じています。もちろん、薬にも。」



『そうか。・・・黒刃、白刃、卍解を解いてくれ。もういいぞ。』
咲夜がそういうと、咲夜から鎧がはがれていった。
そして、目の前に小さな姿の黒刃と白刃が現れた。


『やっぱり、このままでいいか。斬魄刀を使わなくてもそれなりに戦えるし。』
「まぁ、そうだな。」
「「僕らも、戦うの好きじゃないからそれがいい!!」」
『斬魄刀なのに戦うのは好きじゃないのか。君らも変わり者だな。』
「「咲夜の斬魄刀だからね。」」


『それで、疑問に思って居ることが後三つある。』
「「なに?」」
『剣の巫女の力は戻っているのだろうか?』
「「戻っているよ。」」


『そうなのか?浮竹、斬魄刀で私を斬ってみてくれ。』
「おいおい、斬れてしまったらどうするんだ。」
『白刃を持っていれば大丈夫だ。白刃、始解してくれ。』
「わかった!!」
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