蒼の瞳、紅の瞳
■ 22.卍解の習得

修練場に着いた咲夜たちは早速卍解を習得することにした。
「行くぞ。」
「行きます。」
「卍解、宵闇之刀。」
「卍解、日輪之刀。」


膨大な霊圧が噴出して、あたりの木々を揺さぶった。
「おい、漣、大丈夫なのか?」
『さぁね。でも、暴走はしていないよ。』
霊圧が落ち着くと、そこには漆黒の鎧に身を包んだ黒刃と純白の鎧に身を包んだ白刃がいた。
その手にはそれぞれ漆黒の刀と純白の刀が握られている。
その刀からは何も感じられない。


『うん?これが卍解なのか?』
「そうだ。」
「手に取ってみてください。」
その声の通りに咲夜は差し出された刀を手に取った。
力が咲夜に流れ込んでくる。


すると、刀に触れた部分から体の中心に向かって咲夜の体を黒と白の鎧のようなものが包んでいく。
黒刃と白刃が身に着けている鎧と同じものらしい。
咲夜は半分から左が黒く、半分から右が白い状態になった。
長くなった髪の色までそう染まっている。
そして、咲夜の青い瞳は赤い瞳へと変化していた。


「「天地宿神。」」
「これが俺たち二人の卍解だ。」
「卍解の第二段階、と言ったところでしょうか。」
「漣、姿がだいぶ変わっているぞ。」
『そうだな。だが、動きやすい。卍解なのにこんなに軽いのか。』
咲夜は確かめるように刀を交差させた。


キィーンという金属音が鳴り響く。
「さすが咲夜だ。」
「初めから私たち二人を同時に制御するとは。」
「「さすが我が主。」」


『これ、片方だけ卍解したら全身が黒くなったり白くなったりするのか?』
「そうだ。俺を使えば黒に覆われる。」
「私を使えば白に覆われます。」
『そうか。』


「俺は死を司るもの。故に、俺に触れたものは死へと向かう。」
「私は生を司るもの。故に、私に触れたものは生へと還る。」
それを聞いた咲夜が一本の木に左手で触れた。
するとその樹はあっという間に枯れてしまった。
また、その樹に咲夜は右手で触れた。
すると、その樹は生気を取り戻すのだった。
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